快で躍動感溢れるサウンドとポジティヴな想いを届けるメッセージを乗せた歌声が印象的な『COLORS』を11月に発売し、只今全国ツアー真っ最中のFLOWから、早くもリリース情報が届いた。しかも今回はベスト・アルバムだ。『FLOW THE BEST〜Single Collection〜』と名付けられた今作は、2003年1月にインディーズで発売し、一躍彼らの名前を音楽シーンに知らしめた「贈る言葉」から、精力的にリリースを重ねてきた2006年のシングル3枚までのFLOWの軌跡の全てを詰め込んでいる。
特筆すべきは、収録曲順である。1曲目、最新シングル「COLORS」からスタートし、13曲目の「贈る言葉」まで、最新のものから遡りながら“軌跡”を追っている。時系列を古い曲から最新のものへと追ってバンドの進化を聴かせる、シングルコレクションのオーソドックスな作りではない、まさに“逆転の発想”だ。そしてボーナストラックとして書き下ろされた新曲「Melody」が、辿ってきた軌跡から一気に“未来”のFLOWを予感させる。さらに初回限定盤の、DVDには今作に収録した全てのシングル曲のミュージック・ビデオと、2006年6月9日に行われた『FLOW THE CARNIVAL 2006』のライブの模様のダイジェストをも収め、FLOWが本領発揮するライブでの勢い、息遣いも彼らの歴史と共に堪能できるのだから、贅沢な作品である。
アルバムに意味があるように、ベスト盤にも、アーティストにとってはもちろん大きな意味がある。それは、各々の“芯”にあるものをダイレクトに届けられることだ。それぞれの曲が作られた背景や時代に関係なく、FLOWが持ち続ける唯一無二の“芯”が、やはりこの作品には息づいている。彼らの“芯”―――それはいつでも前を向き、キラキラとした瞳で希望を持って未来を見つめているということ。そして、その想いは音のみならず彼ら自身からも波動のように伝わってくる。キレイごとや理想論を届けるのではなく、いつでもポジティヴな気持ちを持ち続け、そんな日々を音楽で見事に体現する彼らの歩みを今作で確かめ、壮大な「Melody」が示す未来に想いを馳せたい。
文/えびさわなち

