
2009年05月01日 掲載
Excite:ドラマティックなバラードで聴かせる「My Best Of My Life」ですが、このところロックや躍動感のある曲が多かっただけにインパクトがありますね。
志帆:そうですね。この曲は1年くらい前にあった曲ですね。これは(アレンジャーの)蔦谷好位置さんが、最初から「こういう風にしたい」というアレンジのアイディアが沢山あったみたいで。アレンジしてもらったものに対して、こちらからも「もっとこういう風なものが良い」とアイディアを出したりして、相談しながらアレンジしていって、最終的に今の形になったんです。それでも最初から「今までにない壮大な楽曲にしよう」っていうのは、みんなで話していました。アウトロとかもトリッキーな感じを取りつつ、6分という大作になってしまったんですけど(笑)。でも、どこをとっても聴きどころがあって、あまり長さを感じさせない作品にしたいという想いがあったので、その辺りをみんなで相談しながら作り上げた大作ですね。
Excite:アレンジャーとなった蔦谷さんに並々ならない熱意があったということでしたが、志帆さんにとっては、最初どんな印象があった曲なんでしょうか?
志帆:ちょうどこの曲が出来た頃は、(作曲者である)多保(孝一)くんがバラードを何曲も作っていたんです。その時期、バラード作りがマイブームだったみたいで(笑)。すごく沢山バラードが出来ていて、良い曲もいっぱいあった中で出来ていた1曲だったんです。中でもすごくシンプルで、素直で、美しいメロディだなぁって思っていたんです。
Excite:その曲がアレンジされたことでどんな風に変化したと感じますか?
志帆:グッと世界も美しさも持ち上がったなという感触ですね。こんなにアウトロとかでトリッキーな印象になるとも思っていなかったんですよ。「美しい曲になるかな…?」という予感はあったんですけど、美しいだけではなくて、楽曲もアレンジもどこか淋しさがあったり、余韻を感じさせてくれる仕上がりになったなと思います。
Excite:言葉や情景もやはり“ドラマティック”というか、美しいという感じがするのですが、歌詞を書いている時も楽曲の持つ、そういう雰囲気は意識していたんでしょうか?
志帆:単純にメロディから情景を思い浮かべた言葉を書いていったんですけど、私の中では、広い砂漠に濃いブルーの空が浮かんでいて、そこを私が彷徨っているという情景から書いていました。そのイメージは蔦谷さんにも伝えて。「美しいだけの楽曲にはしたくないんだ」と。彷徨ということはイコール孤独だと思ったので、“孤独”をテーマに歌詞を書きたいということも蔦谷さんには伝えたんです。だから書きたいことを伝えて、それをアレンジで彩ってもらったという感じでした。
Excite:テーマが決まっていたら歌詞を完成させるのは、それほど苦労はしなかったのでは?
志帆:実はそうでもなくて(笑)。時間をフルに使いました。歌入れの直前までフレーズを探していましたね。
Excite:コレっていうフレーズ?
志帆:そうなんです。肝になる「コレだ!」と思えるフレーズが固まるまで、スタッフと完成直前に、夜中に集まったりもして、色々と手伝ってもらいました。最終的には歌入れの1~2時間前に仕上がったんです。
Excite:フレーズを探している時の志帆さんって、どんな感じなんですか?
志帆:モヤモヤしていますね。コレってものが見つからない時は、ずっと。「これじゃない、あれじゃない・・・」って、ブツブツ言いながら(笑)。「今の気持ちは、こういう言葉じゃないんだよなぁ・・・」とかつぶやきながら過ごしています。本当に「探している」っていう感じです。
Excite:それを見つけた時っていうのは、どういう感覚?
志帆:それはもうピタッと。「キタ!」という感じです。今回の歌詞で言うと、最後までAメロの4行目が決まらなかったんです。みんなも納得していない感じだし、私自身も「これじゃないな」っていうフレーズがずっと来ていたんですけど、最後の最後に浮かんだのが今、歌詞にあるフレーズなんです。閃いた時は、大声で叫んでしまいましたね。ずっと探していた物に辿り着いたというか。ずっと言葉を自分の中で探しながら、心情に沿いながら考えていて、出てきてくれたフレーズです。
Excite:普段から言葉を貯蓄していないと、探り当てることも出来ないですよね。
志帆:そうですね。映画だったり本だったりを見ていますが、そんなに沢山見る方ではないんですけど“感じること”が大事かなと思うんですよね。言葉をインプットするというよりは、どれだけ感動することかなって思っています。そうしたらその感動したことに対して、オリジナリティのある言葉とか感じ方とかが出てくるんじゃないかなと思っています。
Excite:今回は孤独を歌いたかったということですが、なかなかそれはデリケートな部分な気がして、歌詞も人間のデリケートなものが出ている印象があります。
志帆:それを描くのは苦しかったですね。あまり思い出したくないじゃないですか。孤独を感じたような苦しい時間って。だから、そこを描くのに時間が掛かったのはあるかもしれないですね。でも孤独って、陰に気持ちを持っていくと、なかなか救いある作品にしづらくて、それを救いに向けていくのに苦労しました。
Excite:でも、それ程までの“孤独”でも力強く歌ってますよね。これだけパワフルに歌うとその孤独感も昇華されそう。
志帆:いや~、それが(笑)。曲によっては昇華されるものもあるんですけど、この曲ではむしろこういう気持ちを忘れない方が良いんじゃないかと思うんです。孤独だからこそ優しくなれたり、痛みを知っているからこそ温かさも知ることになる。それは忘れない方が良いと思えたんです。ドラマのプロデューサーさんからも「現代の強い女性を描いて欲しい」と言われて、何をモチーフにしようって思った時に、今の自分を描くのが一番良いなと。今の自分が何を一番感じているかと言えば、孤独感やすがりたくてもすがれない強がる部分なんですよね。孤独を中心に色んな感情が渦巻いて混沌としているのが、今の私な気がして。それをある意味、刻むつもりで書きました。
Excite:そして2曲目には昨年のホールツアーのテーマソングでもあった『Welcome To The Rockin’ Show』。聴いているだけでステージでの様子が浮かんできますね。
志帆:それはすごく嬉しいですね。ツアーに来てくれたお客さんにプレゼントとしてライヴの最初に演奏していた曲だったんですけど、音源として無かったので、またツアーでのことを思い出してもらえたらなと思って録音しました。ファンのみなさんへの贈り物ですね。
Excite:さらに恒例カバー曲はRick Derringerの「Rock And Roll Hoochie Koo」を、これまた非常にロックに聴かせていますね。
志帆:昔から好きな曲だったんですが、久々に聴いて「今ならこの曲を歌えるな」って思って、蔦谷さんに話したら「だったらスペシャルなメンバーでやろう!」と提案して頂き、すごいメンバーに…。
Excite:すごいメンバーですよね(笑)。
志帆:はい。ドラムにLOSALIOSの中村達也さんでベースにストレイテナーの日向秀和さん、ギターにMO’SOME TONEBENDERの百々和宏さんにサポートのギタリスト草刈浩司さんに私というメンバーで一発録り。本当に凄かったです。空気が濃くて。動物園みたいでした(笑)。みんなノリノリで、攻めのプレイで、テンポも上がりまくるんですけど、ライヴ感たっぷりで楽しめました。自分でもビックリするような、聴いたことのない歌声が出ました。新しい歌声が聴けますよ!今までは緻密に作る曲が多かったのが、気持ち一発で録ることも初めてで楽しかったです。とにかく聴いてもらいたい1枚になりました。自分でも楽しめるシングルです。