アリーナツアー、幕張メッセ公演の模様をお届け!
| アンジェラ・アキ 浪花のMY KEYS | 2008.09.07(SUN) at 大阪城ホール |
もしも“美しい時間”というものが目に見えるのなら、それはきっと、こんな夜のことを言うのだろう。大阪城ホールで行われた、アンジェラ・アキ、ピアノ弾き語りライヴ。音楽を通して14,000人の心が一つになり、重なり合う声が14,000通りの未来に向かって力強く響いたこの日の情景には、楽しいとか、素晴らしいとか、最高なとか、どんな賛辞を重ねても上手く言い表わせないような何かがあった。みんなが気持ち良く呼吸してて、いっぱい笑って、たまにホロリとしながら、大きな口を開けて思い切り歌ってる。人間と音楽。幸せな瞬間が積み重なっていくその様子には、言葉に出来ない程の美しさが漂っていた。
広い広い会場のど真ん中、ステージをふわりと包み込んだ白いベールが切って落とされると、「サクラ色」のイントロとともにアンジーが現われた。逞しくもしなやかに駆け出した相棒のピアノはまるでサラブレッドのように美しく、互いを信頼した全力の競演に息を飲む。続く「心の戦士」もさらなる迫力のプレイで、オープニングから会場はピークの盛り上がりだ。今日という日の喜びを歌う「TODAY」では通天閣仕様(!)だという八角形のステージが回り始め、みんなも手拍子で演奏に参加。イントロから総立ちになった「Again」、大阪での思い出を歌にしたという未発表の新曲「7Days 7Nights」など、会場には終始オーディエンスの笑顔が輝いていた。が、アルバム『TODAY』に収められている異色作「モラルの葬式」で雰囲気が一転。物語のページをめくるように進むこの曲を生で聴くと、楽曲そのものが放つ孤高の存在感と彼女の表現力の深さに圧倒されっぱなし。指先と繋がっているかのように操られていたライティングも印象的で、まるで映画『ファンタジア』で描かれていたような幻想的な世界に思わずため息がこぼれる見せ場となった。また、彼女にとって音楽以外のもう一つの夢だという“場末のスナック”その名も『ふるさと』を舞台に披露されたスペシャル・コーナーでの演出は脱帽モノ。とことん楽しませようと人一倍の気を遣う彼女ならではのサービス精神か、はたまた暴走する妄想に付き合わされたのかは紙一重といったところだが(笑)、店に来たお客の悩みに応えるという設定で歌われた「孤独のカケラ」「Still Fighting It」の2曲には、何年もの月日を共にした親友へ捧げられたような温かい響きがあった。この温もりこそが、多分、“彼女と音楽”の距離感なのだろう。聴く人の数や場所ではなく、そこにいる相手の心へ歌う。エンディングに向かう華やかな盛り上がりの中でも、その想いはブレることなく貫かれていた。
スペシャルゲストの“くいだおれ太郎”も登場し、「六甲おろし」に「悲しい色やね」と大阪尽くしで始まったアンコール。ここでは本編でも一度披露された「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」が再び歌われることになったのだが、今回は大阪すみよし少年少女合唱団を迎えての大合唱が実現した。手元の歌詞カードを見ながら、覚えたてのメロディーを一生懸命口ずさむ14,000人。一つの曲を通して今を共に生きる人達の心が繋がり、それぞれの過去と未来が音楽で繋がっていく。そんな瞬間を、眩しそうに、嬉しそうに見つめる彼女のメガネの奥には、きっと誇らしく胸を張る15の頃の自分も見えていたはずだ。
New Single『手紙~拝啓 十五の君へ~』に対する想いを、アンジェラ・アキ本人が語っています!!
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http://ent2.excite.co.jp/music/interview/2008/angela/
(取材・文/山田邦子)