アリーナツアー、幕張メッセ公演の模様をお届け!
| 椿屋四重奏TOUR’09『CARNIVAL』 | 2009.12.20(SUN) at 赤坂BLITZ |
いよいよ迎えた『CARNIVAL』ツアーファイナル。年の瀬迫る赤坂BLITZを埋め尽くした観衆が待つステージはオペラハウスの劇場仕立て、ドレープたっぷりの赤い少しビロードがかったカーテンがあしらわれ、今か今かと主人を待つ様相にも似ていた。
そして始まった最終日、おとぎ話の始まりのようなピアノの音、青みがかったライトがステージ上を巡り、一人ずつスタンバイする。するとビートが鳴り始め、ヴォーカル中田裕二が勢いよく登場した。何てSHOW STYLEの似合うロックバンドだろう! 今日も幕の開(あ)いたゴージャス&艶のロックショー。赤坂BLITZではあるけれど、一瞬六本木のBILLBOARDかと見まごう程にJAZZY、SEXY、GROOVYと三拍子揃った空間が一瞬にして生まれた。
出し惜しみ無しにのっけからトップスピード。「今日は忘年会代わり! 夢のような時間を一緒に過ごそう!」と中田。そこから立て続けに、息つく間もなく曲を披露していく。
艶めくロックよりさらに激しい男ロックを奏でても、メロディの強さは変わらない。この旋律の力が多くのオーディエンスの心をつかんで離さない。「MU DA BO NE」でSEXY ROCK全開、「シアトリカル」ではテンションコードを散りばめてドラマチックに。「スピード」で疾走感をあおり、息せききった後には「空に踊れば」「小春日和」と、楽曲による場面転換の妙技はまさに劇的だ。
観客を沸きに沸かせたその後のMCで、ドラムの小寺はやってみたかったと『8時だよ全員集合』の長さん(いかりや長介)ばりの「おいっすー」を観客と何度も投げ合い、その一瞬前まで色気たっぷりビートを刻んでいたとは思えない(笑)。中田もそんな小寺をツッコむ。「2日間SOLD OUT、ありがとう! 今日はみんなせっかく来てくれたんで、懐かしい曲でみんなを道づれに」と「道づれ」を皮切りに、さらにギアが入ってライヴはその日の頂点を目指し始めた。ほとばしる熱情、血しぶく程の情熱がどんどんステージ上で露わになる。
改めて思ったのは、椿屋四重奏はやはり演奏力が高いということ。ロックアーティストだがジャンルのレンジが広く、自由なのだ。うねるベース、跳ねるリズム、喘ぐギター、ジャズの要素もR&Bの要素も感じる四重奏。しかしMCはそれが素なのかネタなのか、楽曲とは異なるアプローチでやってくる。
「いやぁ昨日からWK(ダブリューケー)WKしてて…」「今日はSZT(最後まで全力で楽しん)で!」とはギターの安高。尻込みせずに言い切ってくるのがおかしい(笑)。
「さぁ体力ある?! 今年も残すところわずか! 思い残すことはないかー!」という中田の呼びかけに、いよいよライヴは大詰めに。ツアーファイナルを自ら燃焼しつくすかのように「LOVE CREATURES」では敏腕サポートのYANCYがハモンドうねらせ、「空中分解」では文字通り場内が破裂、分解。分解したまま本編を終了し、その後のアンコールでも予定外の演奏が行なわれ、まさに"CARNIVAL"なツアーは終了したのだった。
(取材・文/田邉香菜子)