老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、70歳以降も会社で働き続けた場合、年金額は増えるのかについての質問です。

■Q:70歳になっても会社で働いています。厚生年金保険料が引かれなくなったら、年金はもう増えないのでしょうか?
「70歳の男性です。65歳から老齢年金を受け取りながら、会社で働き続けています。70歳になってから給与明細を見ると、厚生年金保険料が引かれなくなっていました。これまでは働いた分だけ年金が増えると聞いていましたが、70歳以降は何年働いても年金額は増えないのでしょうか?」(Yさん)

■A:70歳以降は原則として厚生年金に加入できないため、その後の勤務期間によって年金額が増えることはありません。ただし、70歳になるまでの加入期間が反映され、年金額が増える場合があります
厚生年金保険に加入できるのは、原則として70歳になるまでです。70歳の誕生日の前日に被保険者資格を失うため、それ以降は給与から厚生年金保険料が引かれなくなります。

65歳から70歳になるまでの間は、厚生年金に加入して働くことで、毎年の「在職定時改定」により、加入期間に応じて老齢厚生年金の額が増えていきます。

一方、70歳以降は厚生年金保険料を納めなくなるため、その後何年働いても、勤務期間が新たに年金額へ上乗せされることはありません。

ただし、70歳になった時点では、それまでの厚生年金加入期間のうち、まだ年金額に反映されていない期間を含めて再計算が行われます。
そのため、70歳到達時に老齢厚生年金の額が増える場合があります。

なお、70歳以降も会社で働く場合、勤務条件などを満たしていれば、75歳になるまでは引き続き会社の健康保険に加入し、健康保険料を負担します。65歳以上の介護保険料は、原則として年金からの天引きなどにより納めます。

また、70歳以降も一定以上の給与を得ながら働く場合は、在職老齢年金の仕組みによって老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となることがあります。

つまり、70歳以降は働いた期間によって年金が新たに増えることはありませんが、70歳までに加入した分は年金額に反映されます。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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