みなさんこんにちは、ファッションスタイリスト&ライターの角佑宇子(すみゆうこ)です。今年は久々に秋らしい気候に恵まれて、秋用アウターも活躍する機会が多いのではないでしょうか。
ぐっと冷え込む日も増え、そろそろ冬用アウターも新調したいところですが、アウターにはいったいいくらかけるのが妥当なのでしょうか。今回は、大人のアウター事情とお値段以上の高見えアウターを選ぶコツについてご紹介します。

アウターは質の良いものを。それってもう古い考え?

数千円のアウターと数万円のアウター、何が違う?「高いほどいい...の画像はこちら >>
間もなく40代に突入する筆者が20代の頃。年上の先輩お姉さんに「大人になったらアウターはちゃんと高いものを買ったほうがいいわよ」という進言を受けました。その高いものが一体いくらを指すのかは、当時の筆者にはよく分からなかったのですが、少なくとも5万円以上のものを買ってこそ大人なのだろうと思っていました。

しかし現代は、安くて高品質な商品を展開するファッションブランドも多いですよね。そうかと思えば、値段は高いのに、素材の品質が落ちたと感じるファッションブランドも存在します。今のファッションは、単なる価格の高さだけで物の良し悪しが判断できなくなりました。では一体何を基準にすれば、年相応の品格がある服を選び抜けるのでしょうか。

世間の大人はいったい、いくらのアウターを買ってるの?

株式会社ノーマリズムが、2025年に全国の20代~50代の男女100名を対象に「アウター(コート・ダウン等)にかけられる金額はどれくらいですか?」というアンケート調査を実施したところ、最も多かったのが「10,000~30,000円」(35%)、次いで「30,000~50,000円」(31%)と、全体の66%が1万円~5万円程度の中価格帯をアウターの予算としているという結果でした。

1万~3万円を選んだ方からは、高いアウターでも色落ちや型崩れを経験したことがある、結婚して自由に使えるお金が減った、比較的手頃な価格でも品質がよく長持ちするアウターがある、といったさまざまな意見が寄せられています。

一方で、それよりも少し高い3万~5万円を選んだ方からは、品質や防寒性、耐久性に優れたものを買うなら、このくらいの金額を出したいという意見が上がっていました。
とくにダウンコートについては、「ダウンなどの質が良いものには相応のお金をかける価値がある」という声も見られます。

中価格帯アウターで良質なアイテムを見極めるには?

数千円のアウターと数万円のアウター、何が違う?「高いほどいい」ではない理由と“値札より見るべきところ”
中価格帯アウターアイテムの見極め
1万円以下のアウターは品質や見た目の安っぽさが心配。5万円以上は高品質でも財布的には痛い。だからこそ3万円前後で機能性と見た目の美しさが備わっているものを手にしたい! 現代の消費者の多くは、こうした中価格帯のアウターに期待をしていることが多いのではないでしょうか。しかし、中価格帯こそ、アイテムによって当たり外れがありピンキリです。だからこそ、どんなアウターをどこで買うかが大事ですね。そこで中価格帯アウターを買う際に意識しておくと良いこと、良いアイテムを見極めるコツをご紹介します。

1:セレクトショップのオリジナルラインで購入

まず、ハズレがないのは中価格帯を扱っている、ミドルクラスのセレクトショップでアウターを購入することです。代表的なブランドだと、UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)、BEAMS(ビームス)、SHIPS(シップス)、STUDIOUS(ステュディオス)など。

その中でも、セレクトショップがオリジナルで展開しているブランドのアウターは、デザイン・機能面・価格帯の3要素を満たした、お手頃&高品質アウターを発売することが多いです。お気に入りのショップがある方は、そのお店のオリジナルブランドからアウターを探してみると良さそうですね。

2:素材の混用率をチェック

上述したような有名で人気があるセレクトショップで商品を買えば、ある程度の失敗は防げます。ですが、それでもいつ何時でも高品質なものしか置いていないというわけでもありませんし、必ずしも有名なショップだけで買いたいわけでもないですよね。となれば、実際にアウターを手に取って、手触りや素材の質感など細かい部分を見極める目も必要です。

とくにアウターの機能面に大きく影響するのは、素材です。
安価なアウターの場合ポリエステル100%のものもありますが、冬用のウールコートには、ウールと他の繊維を混紡したものも多くあります。筆者は、このウールの混率が60%以上あるかどうか(できれば80%含まれているのが望ましい)で暖かさが大きく変わると考えており、一つの目安にしています。

ダウンコートの場合は、中の素材がダウン(産毛)かフェザー(羽根)、どちらが多く含まれているかがコートの暖かさに影響していますね。混率だけでは品質が決まるわけではありませんが、高級ダウンは、ダウンが90%、フェザーが10%という割合で作られることが多いです。余談ですが、ユニクロは低価格ですが、ダウンの素材の配合率やダウンの膨らみは申し分ありません。縫い目の細かさなど緻密なデザイン性はセレクトショップのほうが優れているものが多い印象ですが、素材の配合率に関して言えば、ユニクロに限っては、機能性も十分ですね。

3:縫い目・裏地をチェック

高品質なアウターは縫製の美しさに現れます。とくに肩のつけ根がしっかり、立体的なフォルムになっているか。襟にも程よい厚みと立体感があるか。そして裏地は背面まで付いているか、表地と裏地の境目部分から布地が浮いていないかをチェックしましょう。ダウンの場合は、縫製の状態や羽毛が抜けにくい加工が施されているかもチェックしましょう。

ウールコートの場合は、生地の密度が高いものほど隙間風の侵入を防ぐので暖かいです。ただ、保温性は維持できますが、コート自体が重くはなりやすいデメリットもあります。
ご自身の中で快適に着られることを重視するなら、必ず試着をしてから決めましょう。軽さを重視したい場合は、コートだけでの防寒力にこだわらず、重ね着で寒さ対策をするなど、バランスを調整するとよいですね。

その値段で自分が満足できるか

新素材繊維の開発や、ウルトラファストファッションの登場など、この20年でアパレル業界も大きく変化しています。それにより、各企業から低~中価格帯の高品質なアウターが登場したため、かつてほどアウターに値段をかける必要がなくなったのは嬉しいですね。

その一方で、選択肢が増えた分、ちゃんと自分の目でモノの良し悪しを見極めてお買い物を楽しむことが必要不可欠です。以前みたいに「とりあえず高い金額を出せば、商品にハズレはない」といった概念ではない現代だからこそ、自分がその値段を出して満足できるかどうかが全て。中価格帯といっても決して安い値段ではないからこそ、目の前の商品がどうやって生まれたのか、どんな素材で作られているのか、ぜひじっくり吟味していきましょう。

<文&イラスト/角佑宇子>

【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105
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