♪No No Cry More 泣かない……
trfの「Survival dAnce ~no no cry more~」のイントロで、このドラマを思い出す人も少なくないはず。「17才 -at Seventeen-」は、1994年4月28日から14回にわたってフジテレビで放送された青春ドラマ。
一色紗英と内田有紀が「その時、ハートは盗まれた」(1992年)以来の共演を果たした作品です。

ベタすぎる展開? 「17才 at Seventeen」のあらすじ


日本のどこかに存在する「羊が原」(ちなみにここでは、ラジオも雑誌もなぜか英語です)。セントウェルトン高等学院に通う月影翠(一色紗英)と火野恭一(武田真治)ら同級生6人のもとに、幼なじみの日高巧(内田有紀)が都会から舞い戻る。

平穏な学園生活に嵐の予感が……という放映当時ですらベタベタすぎる展開も、のちに「若者のすべて」を手掛ける岡田 惠和らによる脚本と、「踊る大捜査線」を手掛ける本広克之、「HERO」を手掛ける鈴木雅之らの演出が冴え、一部のファンには鮮烈な記憶を残しました。

「17才 at Seventeen」が再放送さえしない理由


しかしこの作品、現在に至るまでビデオ・DVD化はおろか、再放送すらされていません。
理由は明らかにされていませんが、高校生という設定にも関わらず、キャストたちが堂々と喫煙・飲酒していることが放映当時から問題視されていた、という説が有力です。

木曜夜8時のドラマで高校生たちの"リアルな生活"を描こうという野心的な試みもむなしく、第5話からしばらくは「未成年者の飲酒・喫煙は法律で禁止されています」のテロップが入るようになります。ドラマ終盤では喫煙シーンはほぼなくなり、飲み物もジュースに差し変わるのですが、時すでに遅し、だったようです。


「17才 at Seventeen」の出演者たち


放送からまもなく23年、あらためて「17才」のメンバーを振り返ってみましょう。

■内田有紀(当時18才)
前年の1993年にフジテレビのドラマ「ひとつ屋根の下」でも注目。「17才 -at Seventeen-」は、「時をかける少女」に続く2作連続のフジ連ドラ主演だった。
終了後の10月には「TENCAを取ろう!-ウチダの野望-」でCDデビュー。ドラマ中ではRRL(ダブルアールエル)のTシャツにダウンベスト、カーゴパンツというボーイッシュスタイルが炸裂。

■武田真治(当時21才)
直前まで高橋由美子版の「南くんの恋人」(テレビ朝日)に主演していた武田は当時、いしだ壱成らとともに"フェミ男"ブームまっただ中。

ドラマで着用しているDKNYのサンバイザーと、腕時計のタイメックス「サファリ」にもホットドッグプレス感が満載。

■一色紗英(当時17才)
現在はブランド「archi」のディレクター 兼3児の母となった彼女も、当時はポスト『3M(宮沢りえ、牧瀬里穂、観月ありさ)』の筆頭と謳われた正統派美少女。
このころはNTT、日産、大塚食品など企業CMに引っ張りだこで、ドラマ出演は前述の「その時、ハートは盗まれた」以来でした。

■山本太郎(当時19才)
ご存じメロリンQ、そして現・参議院議員、「生活の党と山本太郎となかまたち」共同代表兼政策審議会長、「新党ひとりひとり」党首。
今となっては「17才 -at Seventeen-」再放送のための最も高いハードルか。いい役者さんなのになあ……。


■シューベルト綾(当時15才)
もっとも大人っぽい役どころを演じながら、メンバーではもっとも年下だった本名・シューベルト綾ライラ。しばらく日本の芸能界でも活躍していましたが、90年代後半には海外留学。
その後、日本と海外を行ったり来たりしているようで、数年前に一色紗英が「はなまるマーケット」に出演した際には、現在は日本におり、一色紗英の自宅のすぐ裏に住んでいることを明かしています。

■伊嵜充則(当時16才)
1987年のドラマ「親子ジグザグ」(TBS)でデビュー。長渕剛の「この子でいこう」の一声で起用が決まったとか。クロサワ作品にも2作連続で出演(「夢」「八月の狂詩曲」)するなど、天才子役として注目されました。

この「17才 -at Seventeen-」で子役から脱却し、現在でも俳優として活躍中です。

■須藤公一(当時16才)
松平健、三原じゅん子、高木美保、小川範子らを輩出した劇団フジ出身。のちに「3年B組金八先生(第5シリーズ)」「天までとどけ」などでもバイプレーヤーとして存在感を発揮。日本のドラマに欠かせない"デブキャラ"(ほめ言葉です)となっています。

ほかにも中上雅巳(元いいとも青年隊K-CHAPS)、グレートチキンパワーズ、菊池健一郎といった90年代感満載のキャストがドラマを盛り上げました。
実は日本での放送後、台湾のテレビ局で「熱力17歳」として字幕付きで放送され、現地での内田有紀人気に火をつけたことがありました。
ですが、残念ながら日本では前述のような理由で、視聴が難しい状況。フジテレビさんほか関係各所のみなさん、そろそろ、解禁してもらえませんかねえ……。
(DJGB)