11月20日、極楽とんぼの山本圭壱が、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに復帰することが正式に決まりました。
2006年7月17日、未成年少女への飲酒行為と性的暴行に及んだとして、事務所を解雇されて早10年。
今年の7月には「めちゃ×2イケてる! 夏休み宿題スペシャル」 に出演し、9月からはフリーランスの立場で相方・加藤とライブツアーも敢行。本格復帰の機運高まる中で、とうとう悲願を実現した形になります。

復帰にあたって山本は、マスコミ各社へFAXを送り「一人でも 多くの方に笑って頂けるよう頑張っていきたい」と決意を表明。そんな彼に対し、好意的な向きもある一方、ネット上では否定的な意見が多いのも事実。いずれにせよ、10年のブランクを経て山本がどんな笑いを提供していくのか、また、同じ過ちを本当に二度と繰り返さないか……。注目していきたいところです。


『スッキリ!!』放送開始3ヶ月後に行われた伝説の謝罪


さて、紆余曲折を経て再び、吉本に席を置くことになった極楽とんぼですが、思い出されるのは、事件発覚直後の2006年7月19日。日本テレビ系の情報番組『スッキリ!!』の冒頭で行われた、加藤浩次の謝罪会見です。

今もなお、同番組不動の総合司会として君臨する彼も、この時はMC就任3ヶ月目のペーペー。まさか、日テレの朝の顔となりおおせた直後に、相方の不祥事を伝えることになるとは、思ってもいなかったでしょう。沈痛な面持ちで、テリー伊藤と阿部哲子アナに挟まれて語りはじめます。

溢れる涙を止められず…嗚咽交じりにスピーチした加藤浩次


「今回、相方の山本が、未成年の17歳の女性と、飲酒、そして淫らな行為を行ったという報道については、相方の私・加藤といたしましても、深くお詫び申し上げます…」

そう言ってお辞儀をする加藤。話はまだ続きます。

「えー、16年連れ添った相方が、こういったカタチで、ホッ、報どぅ…」ここで思わず嗚咽。
溢れる涙を止められません。「会社の下した…解雇とゆぅ!」「相方の山本には深くぅ!」と時おり声を上ずらせ、言葉を詰まらせながら約1分半にわたり、相方の反社会的行為を詫びました。

YouTubeで驚異的な再生回数を記録! 海外ユーザーのコメントも多数


その反響は意外なところにあらわれます。放送終了直後、当時流行り始めたばかりの『YouTube』に、加藤のスピーチ部分を切り取った動画がUPされ、瞬く間にアクセスが殺到したのです。
その評判は何故か国外にも広まり、海外ユーザーもこぞって視聴。ピコ太郎ほどではないにせよ、とてつもない再生回数を記録し、コメント欄には外国語のコメントが溢れかえりました。
おそらく、内容は理解できないものの、加藤が苦悶の表情を浮かべて泣き咽ぶその姿に、言語の壁を超えた何か訴えかけるものがあったのでしょう。


『スッキリ!!』での謝罪の舞台裏


後に当時を振り返り、「悲しくて泣いたんじゃない。あれは悔し涙だった」と発言した加藤。「何やってるんだ、山本」という怒りが感情の高ぶりを生じさせたようです。
また、前日夜から朝方まで会社側と話し合いをして「あれは言って良い、これはダメ」など色々と制約を設けられ、頭がめちゃくちゃになったとも語っています。

そこまで思い悩んだのも、「どうしようもない男だけど、ほっとけない」という想いがあったから。あれから3778日。
10年間、山本が戻ってきたときの居場所を守るため、第一線で活躍し続けた男は、ついに『スッキリ!!』でその復帰を伝えることができました。山本はそんな相方の男気に応えるためにも、これから精進していくべきでしょう。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonよりクイック・ジャパン 113