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日本の化け猫はなぜ行灯の油をなめる?

ちょっと怖い顔で睨んでみました…。

洋の東西をとわず、昔から魔物の代表格のように言われてしまうのが猫。その理由は猫の習性が大きくかかわっている。

まず猫の瞳が暗闇で光るのが不気味だったこと。電気のなかった昔の人からすれば、これはかなりの恐怖だったはず。もう一つは人にこびない性格や待ち伏せをして獲物を殺すという狩りのパターン。中世ヨーロッパでは魔女狩りのとき、悪魔の使いとされた猫たちが多く犠牲になっている。

ところで、日本で化け猫といえばぺろりぺろりと行灯の油をなめることになっている。西洋では魔物の猫が油をなめるというのはあまり聞かない。なぜ日本の化け猫は油をなめるのだろうか。文化人類学者、石毛直道氏の「食卓の文化誌」にその答えがあった。

実はこれ、日本ということろがポイントなのである。猫はいわずと知れた肉食性の動物。しかし、かつての日本人は肉なし油気なしのさっぱりご飯を食べていた。当然飼われているイヌや猫もご主人様のと同じようなご飯に汁をかけたようなあっさり型の食生活になる。時たま動物性のたんぱく質にありつけたにしてもそれは魚の頭や内臓のおこぼれ程度か運良く小鳥を取る程度。

そんな生活の中で座敷にあがることができた猫が考えたのがつまみ食い。脂肪分のない餌の不満をなんと行灯の油で解消したのだ。そう、当時の行灯の油はナタネ油などの植物性。賢い猫はこれをぺろぺろとなめて油気を摂っていたというのである。四足の猫が油をなめるために2足でたつ姿が障子に映ったのを見て家人はびっくり。ほれ化け猫だ、という話になったといわれている。まさに油気のない食生活が生んだ悲喜劇。

油をなめる化け猫は日本の食文化の副産物だったとは今まで思いもつかなかっただけに驚きである。(こや)

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2005年3月12日 00時00分

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