ガンプラ素材削減、何か変わっちゃうの!?
上/組み立て前の状態。部品がくっついている枝みたいなところが「ランナー」です。下/出来上がり。残ったランナーはこのぐらいの量。
「プラスチック使用 バンダイが削減/コスト低減、まず『ガンプラ』」
こんな記事が先月、日経新聞に載っていた。
玩具メーカーバンダイが、おもちゃに使うプラスチックの使用量を削減していくという。
ついては、「機動戦士ガンダム」のプラモデル=「ガンプラ」から取り組んでいく、と。
プラスチックの原料の原油高というのもあるだろうが、「コスト削減」のもとに、製品がしょぼくなったり値上がりしたりしないのか。なんか心配になってきた。

バンダイ広報の田上郎子さんにいろいろ教えてもらったところ、まず、大前提として「素材削減は環境への配慮からで、結果としてコスト削減につながった」と。まずコスト減ありきではないということだ。
で、何を削減していくのかといえば、例えば“切り離す前の部品がくっついている枝みたいなところ”(「ランナー」といいます)を細くしたりするのだという。
他にも部品などが入っているビニール袋をより小さなものにしたり、パッケージなどの印刷に植物性インクを取り入れたりと、地球のこともちゃんと考えるガンプラになっていくのだ。
大事なところは、「本体以外の部分の削減」であるということ。つまり、ガンプラ本体そのものには影響なし、というところだ。
「パーツ数減少や、本体の品質・ディティールへの影響はありません。ディティールや強度などは、むしろさらなるクオリティアップを」
という頼もしい回答もいただいた。ありがとう田上さん、安心できそうです。

 
確かにプラモが完成したあとに残るランナーの山を見て、「なんかもったいないよなぁ」と思うこと、多々ある。塗装の際の持ち手やプラ棒代わりに使うとか、という場合もあるが、まあほとんどが「燃えないゴミ」になるわけだ。バンダイでは今後、回収も検討しているとのことだが、実際にランナーはどのぐらいのボリュームがあるのか。単純比較にはならないが、いちおう重さを計ってみた。

ガンダムといえばやっぱり「連邦の白い奴」アムロ機。1/100スケール マスターグレードモデル「RX-78-2 ガンダム Ver.ONE YEAR WAR 0079」というのを組み立てた。

ランナー含めたパーツのみの重さ「306グラム」。使用するパーツ数は230前後。さて完成。武器など含めた本体の重さ「139グラム」。そして、残ったランナーの重さ、「169グラム」。なぜか合計で2グラムほど増えたのは、塗装とかしたせいかもしれないです。
まあともかく、組み上がった本体よりもランナーのほうが重かった。

この素材削減は「1/144ガンダムコレクションシリーズの『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』などですでに導入ずみ」とのことだったので、今度はその中から「デスティニーガンダム」という主役機の重さも計ってみた(今度は塗装せず)。
パーツ数は60弱。確かにランナーがずいぶん細い気がする。パーツ重量「87グラム」、本体重量「46グラム」。そしてランナー「41グラム」。
ちゃんとランナーのほうが軽くなってると、実感。

それにしても気になるのが、買ったはいいが、あまりのパーツの数に臆してしまい、ずっと部屋の肥やしになっている1/60 パーフェクトグレードモデル「ガンダムGP01/fb」というやつ。パーツ数、ゆうに1000をこえる超大物だ。
パーツの総重量、計2455グラム! 重っ、デカっ。2キロ超えちゃいました。ランナーの行方も気になるが、とりあえず今気になるのは、コレいつ作るんだろう、オレ。
ということです。
(太田サトル)