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法事料理店のイチ押しが“モツ煮込み”って!?

看板の「法事」の文字が、どことなくインパクトあります。らーめんになまず、メニューの幅も相当広い。

昔から法事料理といえば、喪服を着て故人の生前をしのんで粛々と箸をはこぶもの、と相場が決まっている。料理の内容も、豆腐やこんにゃく、野菜類などをメインにしたもので、薄味でいろどりも地味なものばかりという印象が強い。

ところが、東京・護国寺に30年以上店をかまえる「法事料理の店 みさほ」では、高らかに店の名物料理として“モツの煮込み”と看板に掲げているのである。
女将の小林美津子さんに話を聞くと、自信満々にモツ煮込みへの思い入れを語ってくれた。
「うちの店のモツ煮込みには絶対の自信があります。なにしろ大腸のモツしか使っていませんから」
なんでも、一般のモツ煮込みで使われるのは豚の小腸。ところが「みさほ」では、少量しか取れず仕入れ値の割高な大腸だけを厳選して使っているという。その理由をたずねる前に、ここは「論より証拠」で食べてみるより他はない。

注文後、早速運ばれてきたモツ煮込み。大サイズは530円、小は300円。もちろん「大」を頼んだ。お椀をとり、味噌だれにまみれたモツの小片を箸でつまみあげてみる。確かに見た目からして、いつも食べている小腸のものより肉厚だ。口に入れると、プルプルとふるえる感触がたまらない。小腸のモツ煮込みでは、たまに煮すぎてパサパサのものもあるが、これはジューシーなまま。「うまい」と言わざるをえない。
これはイチ押しにして納得の味だが、なぜ法事料理の店でモツ煮込みを出す必要があるのだろう。

「この近辺は、護国寺や雑司ヶ谷など、お寺や墓地が多いんです。だから、法事料理をメインにする。でも、お寺や墓地で働く大工さんや庭師の方々までいつも法事料理を食べるわけではありませんよね。その方々が仕事を終えて、ビールジョッキを片手につまむもの、それがモツ煮込みなのです」
なるほど、寺や墓地が多いということは、そこで働く人たちも多い。店内の品書きを見ると、モツ煮込みの他にも、カツ丼、ラーメン、鰻、さらにはもはや法事の雰囲気とは180度ベクトルが違う“スッポン”の文字も。

バラエティにとんだそんな品書きの数々から、人間の真の姿をかいま見たような気がした。
(岸本徹夫)

2005年7月29日 00時00分

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