完全受注生産の超リアルなぬいぐるみとは
(上)プラスティック・アイをベースにレザー巻き仕上げ。(中)くにゅくにゅできる肉球まで演出。足型も取れるほどで個体識別もできる!(下)ポメラニアン 超リアルです。かわいー。
昨年の春、一大ブームを巻き起こした立つレッサーパンダの風太くん。その姿をいち早くぬいぐるみにしたことでご紹介したぬいぐるみ作家の清水拓司さん。
清水さんのぬいぐるみは、毛皮を素材に使用し、デザインからパターン作り、裁断、縫製、顔づくりまで、すべての工程を一人で行い、ひとつひとつ手作りしている。そのため、同じものは2つ出来ない。そして、何といっても表情がバツグンにいい。

その清水さんが東京の三越銀座店で展示販売と受注開催をするとの情報を得た。今年は犬年ということで、ペットをモデルに世界で一体のぬいぐるみ作りの受注をすることにしたのだという。
さっそく、清水さんにお話を聞いてみると、自分のペットの写真を持って行けば、毛の色や模様、目の色などワンちゃんの特徴などを作品の中に盛り込んでくれるとのこと。
体の大きさや重さも同じようにすることもできるそうで、使うファーも犬種の特徴や予算に合わせて相談の上決めるという。
ちなみに、受注品は4万円からで、素材、作り、サイズによって価格は異なるそう。

使用する素材は、ラムファーやフォックスファー、ミンクファー、その他でこれらはみな当然ファッションファー用として海外で養殖され商社が輸入したものを使うのだそうだ。
「化繊のものは、どうしても感触がいまいちで、気持ちがいい〜とはいかない。その点、羊毛などリアルファーを使うと手触りが心地よく、心が落ち着きます。これぞ素材の気品、天然素材のすばらしさです。
非常に満足していただいています」
と清水さん。確かにうちに数体ある化繊のぬいぐるみもみなボソボソ君だ。

また、我が家は紀州犬の雑種を飼っていたことがあるので、紀州犬だとどんな毛皮がいいのかを聞いてみた。
「紀州犬は毛がピンピンしていますから、ミンクがいいですね」
と清水さん。ミ、ミンクですか! さすがにお値段まで伺えなかったが、おそらく等身大の紀州犬をミンクで作っていただいたら大変な金額になることは間違いない……。

「最近は、ペットブームの一方で大切なペットを亡くされて、ペットロスで苦しんでいる方も多いと聞きます。
ぬいぐるみは本物のワンちゃんとは違いますが、身近に置くことで癒されるという方も多いんですね。ぬいぐるみは、私がひとつひとつ作るので、ご希望があれば大切なワンちゃんの骨や毛などもぬいぐるみの中に入れることもできますよ。実際にお客様ご自身のワンちゃんの骨を入れて作ったこともあります」

確かにペットは元気でいてくれる間はいいけれど、動物の寿命は人間より短い。どうしてもお別れはつきものである。そんな大切なペットをぬいぐるみの形でそばに置くというのも悲しみから抜け出す一つの方法かもしれない。

清水さんの手作り品は、三越銀座店B3Fで常時販売されているが、展示販売と受注は7Fで3月21日(火)から3月27日(月)まで。

また、25日(土)、26日(日)は、清水さんが店内にて直接話を聞いてくれる数少ないチャンス。会場では清水さんのかわいらしい作品や日ごろなかなかお目にかかれない品々を見ることもできるので、興味のある方は是非この機会に出かけてみてはいかが?