ココロをくすぐる「おとなのぬりえ」
(上)いちばん人気という、ルドゥーテのお花の絵のひとつ。う、美しい… (下)塗り方でまったく違った作品になることも
昨年あたりから大ブレイク中の、「塗絵倶楽部」。

子どもの頃、アニメなどのキャラクターぬりえを無心に塗った記憶がある人も多いと思うが、「塗絵倶楽部」は名画をモチーフにした大人のためのぬりえ。
脳のリフレッシュや老化予防に効果が期待できることから、コレ気になってた! という人も多いのでは?

現在、そのラインナップはなんと157種類! ジャンルは植物画、浮世絵、西洋画、日本画の4つで、ゴッホにルノワール、クリムト、喜多川歌磨に竹久夢二まで日本人におなじみの名画はたいてい揃っている。う〜ん、それにしてもこんなにあるとどれにしようか迷ってしまいますよね〜。

全タイトルの中で、いちばん人気の絵柄などはあるのだろうか? また、世代によって好まれる絵柄に違いがあったりもするのだろうか? 疑問に思った私は「塗絵倶楽部」の広報担当・川上さんにお話を伺ってみました!

「安定した人気があるのは、やはりルドゥーテなどのお花の絵ですね。購入者の6〜7割くらいの方が女性ということもあるのかもしれませんが」。ほ〜っ、このすごーく繊細な細密画のルドゥーテが人気とは。

「たとえば春ならパンジー、冬なら椿、といった感じで、その季節ならではのお花を選ばれる方も多いですよ」とのこと。
ルドゥーテの絵は背景が白で、比較的塗る部分が少ないことも「キレイに塗れるかな??」とちょっと不安に思っている初心者には人気のようです。

男性には浮世絵の「東海道五十三次」シリーズ等も人気だそう。ぬりえで諸国巡り……なんてちょっと粋じゃ〜ありませんか。

「塗絵倶楽部」のファンは40〜50代の中高年を中心に、上は90代までと幅広いそうだが、最近はインターネットなどで購入する20〜30代の若いファンも増えつつあるとか。

おもしろいのは、若い人ほど「これは背景が細かいから難しそう……」とか思ったりせずに、単純に自分が好きな絵を選ぶ傾向にあるそうなのだ。ダ・ヴィンチの「モナリザ」やゴッホの「ひまわり」など、教科書で見たことのある名画に果敢にチャレンジするのも若い人が多いとか。
個人的には、大好きなムンクの「叫び」なども今後ぜひラインナップに加えてほしいところですー。

ぬりえというと個性を出すものではないと思いがちですが、川上さんによると、実はものすごく性格が出てしまうものなんですって! お手本に忠実にものすごく丁寧に塗っていく人もいれば、お手本とまったく違う色を使って大胆にユニークに仕上げていく人もいて、同じ絵を塗ってもまったく違う作品に仕上がるのがおもしろいところ、なのだそう。

「塗絵倶楽部」では、今年で3回目になる“春の塗絵大賞2006”で現在作品を大募集中! 今年はweb上だけではなく東京・銀座の伊東屋でも作品を展示するそうで、人に見てもらうと思うとますます作品にも気合いが入りそうですよねー。

あなたなら、どの作品を塗ってみたいですか?(野崎 泉)