「1組、2組……」「A組、B組……」あなたはどちらでした?
北海道〜北東北地方、瀬戸内〜四国地方に「A組、B組……」が多いようだ
新入学のシーズン。クラス替えもあり、「あの子と一緒になれるかな」なんて気になる季節。
ところで、学校のクラスと言えば「1組、2組……」と「A組、B組……」の2派があると思う。世の中どっちが主流なのか。老若男女誰もが知っている学園ドラマ、TBS系列「3年B組金八先生」の桜中学校も、NHK「中学生日記」の東桜中学校も、「A組、B組……」だ。

早速、全国の中学校を調べてみた。ネット上で無作為抽出、偏らないよう各都道府県から3校ずつを調査。ゲームの影響なのか、架空の学校名が検索されたりするので、慎重に調べを進める。
HPを持つ学校がかなり多いことに少し驚いた。

結果発表! 141校中「1組」が104校、「A組(a組)」が36校、そして「A級」という変わりダネが1校。都道府県の人口で補正すると「1組」が76%、「A組」が24%。私立中学や大学の附属中学に「A組」が目立つものの、それらは絶対数が少ない。世の中的には「1組」が主流のようだ。

さて、地域別に見るとちょっと面白い。
北海道〜北東北と、瀬戸内〜四国にかけての道県に「A組」が多い。秋田県、愛媛県の出身者1名ずつに尋ねたところ、どちらも「A組」だったとの回答。何か理由があるのか。愛媛県松山市教育委員会に聞いてみた。

「1964年には市内18校中7校が『A組』でしたが、現在は29校全てが『1組』です。クラス数の増加で分離・新設校が増えた1975年頃から『1組』に変更されてきたようです」
あれれ? さっきの結果と反対になってしまった。
同じ県内でも、市町村によってだいぶ違うみたい。そんなわけで理由はよくわからず。

ところで、筆者の通った長野県諏訪地方の多くの学校では、「1組」でも「A組」でもなく「1部、2部」を使っている。これはかなり特殊。諏訪市教育委員会に聞いたところ「明治30年代の資料には『級』が使われています。身分制度が残っていたのでしょう。
卒業証書に平民、士族の明記があります。そして大正2年に『部』という言葉が出ています。私の推測ですが、諏訪の尚武(しょうぶ:武道、軍事を重んずること)の気風が影響したのか、役所の呼び方に多い『部』を使った向きがあります」と、教育長さんから丁寧なお返事を頂いた。

そんな歴史があったとは……。皆さんの出身校はいかがですか? 蛇足ですが小学校を調べてみると、宝塚張りの「月組、星組」はじめ、変わったものが見つかりそうです。
(R&S)