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「郡」とはいったい何だろう

某サービスの申込書。筆者宅の住所は非常に長いので「○○郡」の記入を省略したいのだが、省略させてもらえない……

筆者は東北地方の郡部に住む。田舎と言われる東北地方でも、最近の市町村合併で「市民」が増え、今では東北6県1,000万人のうち、町、村に住む「郡民」は200万人に過ぎない。田舎でも少数派になってしまった。ところで、「郡」とはいったい何だろう。町長や県知事はいても郡長はいない。町税や県税はあっても郡税はない。ニュースや新聞を見ても、「福島県○○町では……」と「○○郡」はいつも省略。とっても影が薄い。朝日新聞広報部に聞いたところ、活字を大きくした関係で字数を減らすため、紛れることがなければ省略しているそうだ。例えば、群馬県にはかつて3つの「東村」があった。こうなると「○○郡」がないと区別できないが、最近の合併で3つとも姿を消してしまったので紛れることがなくなった。

「郡」とは何か、まずは図書館で調査。「郡」の誕生は8世紀のこと。国−郡−里、というしくみの中のひとつで、中国の郡県制に由来するそうだが、19世紀生まれの「市」に比べ圧倒的に長い歴史を持つ。ちょっと優越感。しかし、続きを読むと「現在では地理的名称としての意味しかない」みたいなことが書いてある。えっ? あんまり意味ないの? 総務省に聞いてみることにした。

市町村課の担当者に図書館での調査結果を話すと、「私どもでも、それ以上のお答えはできないと思いますが……」と言いながらも調べてくれた。地方自治法259条に定めがあるそうだが、やはり「町村の区域のひとつの単位」という程度の意味しかないらしい。原則的に全ての町村は郡に属しているが、郡内にひとつの町(または村)しかない、そんな所も少なくない。

地方自治法なんて見たことがないので、同省行政管理局の「法令データ提供システム」で調べてみることに。このシステム、法令の調査にはもってこい。「普通地方公共団体は、都道府県及び市町村とする」と、県と市町村の役割はちゃんと書かれていたが、郡の役割はどこにも書いてない。ただ、明治、大正時代には「郡長」というのが実際いたそうで、昔の法律との調整をとる規定がちょっとだけ残っていた。

そんなわけで、現代では「郡」にはあんまり意味がない、というのが今回の結論。筆者宅の住所表示は非常に長いので、意味が薄ければ取ってもらうと助かるのだが……総務省の担当者は「そういう動きはないです」ときっぱり。まあ歴史が長いからね。

最後にトリビアをひとつ。町や村でありながら、「郡」ではない所がある。大島町、八丈町、小笠原村……分かりますか? 伊豆諸島、小笠原諸島の町村だけは、「東京都○○村」というふうに、郡が付かないことになっています。
(R&S)

2006年6月25日 00時00分

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