そんな二人をさらに有名にしたのが、公式ウェブサイトの掲示板。一般人の書き込みに対して、ノッポン兄弟がたまにコメントを返しているのだが、その内容がなんともユニーク! クールな兄のシュールなコメントに対して、心優しい弟の誠意あるコメント。二人のバランスも絶妙なのだ。
巷で話題にもなったそんなやりとりが、なんと本になって登場。それが7月21日に発売された『東京タワーのノッポン』。著者はノッポン本人だ。
それにしても、こうして本でまとめて読むと、ノッポン兄は掲示板でかなり言いたい放題であることがわかる。例えばノッポンのプロフィールに関する質問には、一度は軽く答えたものの、二度目の質問に対しては、
「正直、答えんのだるいです」
と勝手に終了。また恋の相談に対しても、
「何やってもダメなときはダメだから」
とズバッと切り捨て。まあ確かに真理ではある気がするけど……。
「もっと詳しくおねがいします」
と再度、書き込まれてしまう始末。それに対してはノッポン弟が丁寧に回答。兄の発言のフォローも弟の役目、本当にできた弟だ。
これだけ見ると、なんだか冷たそうに思えるかもしれないノッポン兄だが、不思議なことになぜか憎めない。本音をズバリ言っているのが、気持ちいいのかも。辛口なコメントが返ってくるとわかっていながらも、ついつい掲示板に書き込んでしまう人が多いのもわかる。
この本では、こうした名・珍回答集はもちろん、東京タワーの歴史やそこで働く人々の特集など貴重な情報も満載。これを読めば、きっとノッポンに会いに東京タワーに行きたくなるはず。
(古屋江美子)