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奄美大島初の、島民ラジオ開局!

写真は「ディ!ウェイヴ」のスタジオ風景

「南国」というイメージだけはぼんやりとあったものの、近隣の沖縄や屋久島と違い、いまいちその特色や位置関係すらも曖昧だった奄美大島。でも先日初めて奄美へ行った私は、変に観光地化されていない奄美のおっとりとした土地柄にすっかり感化され、たったの2泊で喋り方までゆっくりになって、ちょっとイントネーションも伝染。今や黒糖焼酎をはじめ、何かと奄美の名産を探すようになってしまった。

だが大学がない奄美大島では、高校卒業とともに島を離れてそのまま東京や大阪で就職する人が後を経たない。その奄美で、この5月1日からNPO法人「ディ!ウェイヴ(あまみエフエム)」という、島内初のコミュニティ・ラジオ放送を始める麓憲吾さんに、お話を聞いた。
「もともと僕は98年に『アシビ』というライブハウスを名瀬で始めたんです。そこそこ演奏する人も増えてイベントも増えたんですが、音楽以外にもいろんなジャンルで活動する団体と、島民との間には、妙な距離感があったんです。そこで、ナマの声なら、その距離を縮められると思ったんです」
「いま、奄美ではシマ唄を歌う元ちとせさんや中孝介君などの活躍によって、シマの外にシマの良さをアピールしようという動きが優先的になっているんですが、大事なのはシマンチュ(シマの人)がシマの良さを知り、感化すること。そのために、ラジオを始めようと思ったんです」

何かを伝えるメディアにはネットや新聞もあるが、なぜラジオを?
「ネットや新聞は受け手が能動的にならないと情報を得られません。でも僕がいちばん感化したかったのは、意識のない人たち。そこで、ラジオなら、受け手の時間を拘束せず、受け身でいても情報を得られるメディアだと思ったんです」

地域の情報を伝えるメディアとして、これまでにも地域密着型の短波放送、コミュニティFMは全国各地で始まっていたが、離島では宮古島につき「ディ!ウェイヴ」が2島目、そして奄美大島では初の試みとなる。
「シマの外に情報を紹介したり、外からお金をもってくることも大事ですが、文化や伝統といった、島の営みを知らないと、売るものと守るものも区別がつかない。シマ唄も自然も、先祖から受け継いできたものです。でもそれを知らずに切り売りしてしまうことで、シマのジャングルの中にどんどん観光客が入っていってしまったりする。また、公共事業もシマの土建業のための工事になっています」

近隣の沖縄と比較されることが多い奄美大島だが、沖縄のような観光モデルとは違う?
「沖縄は島全体がリゾート地みたいな感覚だと思うんです。でもその土地に合った発展の仕方があると思う。奄美大島は、観光客と対外的に向かい合うのではなく、シマの外の人が、シマンチュ同士が向き合うようすを見て、シマの情緒を感じるような見せ方をしたい。だから、たとえば観光客の前でシマ唄を歌うのではなく、シマンチュ同士で歌っているようすを見てもらいたいんですよね」

奄美大島には大学がなく、8〜9割の若者は高校卒業とともに都会に出ていってしまうが、何らかの事情でシマに帰ってくる人も多い。麓さん自身も東京で暮らした経験をもつ。
「多くの若い人は、シマにこれまでなかったものは、これから先もないと思ってしまっています。そして、『誰かやればいいのに』と責任転嫁してしまう。だから、やろうと思ったらできるんだ、という精神的な自立をあおって、やる気を感化したい。僕も、いつも酒を飲みながら『ラジオをやりたい』と話していたら徐々にいまみたいな共同体ができたんです。この濃いコミュニティこそがシマのいいところ。わずらわしいこともあるけど、助けられることの方が多いですね」

シマのことばは、鹿児島とも違う、独特の訛りが特徴。奄美のことばが流れてくることもこのラジオの魅力だ。小さい島だからこそ、できること。ひるがえって、「島国」の日本だからこそできることもあるんじゃないか、ということも、この奄美の試みによって考えてしまいました。
(駒井麻衣子)

ディ!ウェイヴHP
ライブハウス「アシビ(ASIVI)」HP

2007年4月15日 00時00分

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