ここ何年かの間で、動物カフェの数が急増していると聞いた。

動物に癒されたいと言う声に応えて増えて行く動物カフェの中、大阪に珍しいお店を発見。

その名も“鳥見カフェ”。鳥を見るカフェではない。鳥に見られるカフェだと言う。

場所は、かつて大阪花博が開催された、鶴見緑地近く。
動物と触れあえるタイプのお店が多い中、こちらは鳥を専用エリアに放して人間と鳥の空間を完全に区別。
お客は喫茶エリアからガラス越しに鳥を眺めたり眺められたり。
さらに鳥の鳴き声を聞きながら、のんびり寛ぐのがこのお店の過ごし方だそう。

エリアを分けた理由は糞や羽の被害を防ぐため。いくら鳥が好きとは言え「食事中の糞落下も気にしない。そんなところもまとめて大好き」と言い張れる人は、さすがにごく少数派だ。

店内には種類も豊富な29羽の鳥が在籍。鳥の体調や相性を見て、10羽程度が鳥部屋に放される。
どの鳥に出会えるかは行ってみるまでのお楽しみ。

もちろんガラスに隔てられているため、鳥に触れることはできない。しかし人間が自エリアに入ってこないことを理解しているのか、鳥は気疲れする様子もなく客の目の前で水浴びをしてみせたり餌をつついたり。自由な行動を見せてくれるのもまた、楽しい。

さらにカメラを向けると近づいて可愛いポーズを決めてくれる、サービス精神豊かな鳥の姿も。
「鳥同士で遊んだり、じゃれあう様子も見られます。
よく見ると一羽一羽に個性があって面白いですよ。鳥界のコミュニケーションも見学できます」
と、お店の方。

さらに鳥のアップなど外では撮影しにくい写真を撮ることもでき、数百枚と写真を撮っていく人もいるそうだ。
鳥スタッフの中でも人気はサザナミインコの“ウルメ君”。のったりしてるところが人気なのだとか。いつでも眠たげな様子が非常に平和で見ていて癒される。


そもそもこのお店が目指すのは、鳥のコンセプトカフェ。
「日本は昔より花鳥風月を愛する民族です。でも最近、鳥インフルや風評被害で鳥が叩かれることが多く、非常に残念ですね。鳥の生態をよく知らない人にもぜひ来ていただきたいです」
と、お店の方。

確かに鳴き声や糞害のせいで、鳥を飼っている人は少なくなっているそう。バードウォッチングをするにも、野生の鳥はガードが固い。

そこで2007年3月3日に鳥を間近に見られるようにと、日本国内でも珍しいこの鳥カフェをオープンさせた。
もちろんお客さんの多くは鳥好きな人がメインで、中には遠方から訪れる人もいるほどだ。
これから鳥を飼ってみたいと言う人には、鳥の飼い方や鳥の触り方など簡単な相談にも乗ってもらえるとか。

鳥を見るのではなく“鳥に見られるカフェ”と、人間側が受け身で居られるのも忙しい現代人には心地がいい。
暖かくなってきて、鳥も活発に動き回る季節。新生活に疲れが出てきている人は、こちらでまったり癒されてみては。

(のなかなおみ)

・鳥見カフェ ぽこの森
住所:大阪府大阪市鶴見区鶴見4-1-16
営業時間:12~19時
定休日:月・火曜