省エネ対策として、エアコンと扇風機を併用する方法が一般的になっている昨今。

扇風機の便利さが見直され、家電量販店では「扇風機始めました」などと掲げたコーナーを設ける店も出てきている。


ところで、扇風機は、長年使用できるイメージはあるが、これから購入するならどんなものが良いのか。
「省エネ」を謳っている製品はどう違うのか。家電量販店担当者に聞いてみた
ところ、
「『省エネ』と書かれてるものは、ぶっちゃけてしまうと、メーカーさんが勝手に貼っていっただけのもの。実際、いまの扇風機でしたら、どこのメーカーのものでもほとんどの製品が省エネになっていて、それほど違いはありませんよ」
とのこと。

価格の違いに関しても、「リモコンつきはリモコン代で2000円ぐらいアップして、7000~8000円が一般的。それほど動き回らない方なら、リモコンなしの5000円ほどのもので十分」という説明だった。


数ある扇風機をどんなポイントで選べば良いのか迷うところだが、
「まずチェックしてほしいのは、ワット数ですね。省エネということでいうと、たとえば、30Wのものはかなり省エネになっていますが、単純に、『ワット数=風力』ということなんですよ。ですから、広い部屋で使用する場合や、エアコンとの併用ではなく扇風機のみで過ごす場合には、30Wではなかなか風が届かない。47Wぐらいあるほうが良いかと思います」
単純に、省エネタイプを選べば良いってもんでもないんですね……。

ところで、近年は昔ながらの扇風機のほかに、「タワーファン」という縦長でスリムな形状のものも多数出ている。これらはどう違うのか。

「タワーファンは、場所をとらないため、パソコン仕事をする人などがデスクの横に置いたりする場合が多いです。また、冬にハロゲンヒーターを利用している人などが、ちょうど同じくらいの幅だという理由で、夏用・冬用の入れ替えで購入する場合も多いですよ」
確かに、ヒーターや扇風機など、季節のものは、「しまっておく場所」も考えなきゃならないわけで、同じスペースで夏・冬の交代制にしているということか。

「ただし、タワーファンは場所をとらない分、風の吹き出し口も狭いので、首ふりで使用しても、どうしても普通の扇風機よりも風はこないですね」
結局、風を広範囲に送りたいのであれば、普通の扇風機のほうがおススメだという。

ところで、エアコンの冷気を広範囲に送るには?
「遠くまで風を飛ばすことを考えたら、サーキュレーターがいちばんです。たとえば、ロフトのあるお部屋、天井の高いお部屋などで、エアコンの冷たい空気が足元に溜まってしまう場合、決まった方向に遠く風をとばしたい場合には、扇風機よりもサーキュレーターを併用するほうがいいですよ」

さらに、今は机上に置ける「デスクファン」や、大きな洗濯ばさみ状のクリップで固定できる「クリップファン」、壁かけにできるものなど様々な製品があるので、上手に使い分ける人が増えているよう。

厳しい残暑は、これから。
エアコンばかりでなく、扇風機とも上手につきあっていきたいものです。
(田幸和歌子)