「子供の頃は、贈り物を『もらう喜び』しか知らなかったけど、いまの僕は『あげる喜び』も知っていますよ。サンタになれるのは大人の証です。
おいしいところが、メリークリスマス。ペプシネックス。」

12月12日より放送されている、松山ケンイチ出演中のペプシネックスのCMコピーだ。
初めて聞いたときに思わず聞き入ってしまった人、見入ってしまった人は多いのではないだろうか。

というのも、これ、文字で見るとフツウだけれど、実はバリバリの(?)青森弁。
たまにトーク番組などに出演した際、ポロリと「わい」などの一人称が出たり、訛りが出る“素”の部分が、ファンにとってはたまらないポイントの1つだと思うのだが、そんな青森弁をCMに取り入れるとは、なかなか心憎いではないか。

近年は、男女ともに「方言が好き」という人も多いことだし、こうしたファン心理を意識した戦略なのか。

また、オファー段階から決まっていたのだろうか。ご本人は嫌がらなかったの? などなど、「青森弁」をCMに取り入れた理由をサントリー広報部に聞いた。

「今回のCMは、『Xmas「おくりもの。」』篇で、今年の春からのシリーズ作品に続いて、第5弾になります。第1弾のときからコンセプトは同じですので、青森弁が実は出ているんですよ」
全然気づきませんでした……。

「春からのシリーズ作品では、『おいしいところがイイ』など、セリフが短かったので、気づかなかったのかもしれないですね。トータス松本さんと山田優さんとともに、もともと“ご自分の言葉でそれぞれのかっこよさでしっかりメッセージを伝えられる方”として登場していただいているので、監督は『自然にやって』という指示を出したんです。
すると、イントネーションも松山さん自身のまま、自然体で思わず発してしまった“お国言葉”が撮影でき、そのままCMに採用されているんですよ」
つまり、「青森弁でCMを」と意図していたわけではなく、撮影の過程で「自然に青森弁が出た」ということなのだった。
「イントネーションについては、松山さんは撮影前にお母さんと電話で話されたそうで、『ペプシネックスの発音が青森弁になっていると母につっこまれました』というエピソードを披露してくれました。監督が『もう注文ありません』というほど、ほとんど1~2テイクでOK連発だったんですよ」

ごくごく自然に出た「青森弁」。ご本人の感想はどうでした?
「『そういうのを(訛っていることを)許してくれる撮影が今までなかったので、すごい、新鮮で面白かった』と言ってくれました」

これまで東北弁の代表者だった(?)吉幾三かダニエル・カールとは別の文脈で、青森弁で素敵に登場した松山ケンイチ。

今後については「未定」だそうだが、ぜひ続編なども見てみたいです。
(田幸和歌子)