いつのまにか毎日使うようになったサービスがある。
いつでもどこでも簡単に記録することができるツール「Evernote(エバーノート)」だ。


Evernoteを使い始めてから約2年が経つが、筆者の使い方は非常にシンプルだ。
紙のノートの代わりに、Evernoteでノートやメモを取る。会社にいるときはパソコンで、移動中はiPhoneで。

Evernoteはデスクトップ、ラップトップ、スマートフォンなど様々な機器を横断して利用できるサービスなので、どの端末からでもノートを取ることができるし、閲覧や編集も可能だ。そしてそれらはいつでも最新の状態に保たれるので、さっきの会議で取ったメモを次の打合せに行くまでの電車の中で確認するといったことがとても簡単にできる。また検索機能が非常に優れているので、自分が取った過去のノートの中から特定のキーワードを含むものだけを一覧で表示するといったことも可能だ。
なお、Evernoteはテキストだけではなく画像や音声データにも対応しているので、様々な形式のデータを同様の方法で記録して活用することができる。特に画像については画像に含まれる文字を抽出して検索可能にしてくれるという驚きの便利機能を兼ね備えている。

2008年6月にベータ版の提供をはじめてから4年間でユーザー数は世界で約3,500万人、その内140万人は有料ユーザーだというから驚きだ。特に、過去1年間でユーザー数が3倍以上に伸びており、年々その拡大スピードは速まっている。

急成長を続けるEvenoteだが、一体どんな場所で、どんな人がつくっているのだろう?
気になる!ということで、6月に移転したばかりというシリコンバレーの新本社オフィスにお邪魔した。

一言で表すなら「ステキ」。

プロダクトはもちろんのこと、オフィス環境も、そこで働く人々も、CEOも。
「オフィス環境」と「そこで働く人々」を2回に分けてレポートしていこう。

第一回目は「オフィス環境」のステキな10のポイントを紹介する。

■ ステキその1:のどかなオフィス周辺
新社屋はシリコンバレー地域のレッドウッドシティーに位置する。
心地よい太陽の日差しが降り注ぐ、非常に静かなエリアだ。

■ ステキその2:2つのフロアをつなぐオープンな階段と空間
本社に勤務する約160名のメンバーが使用するフロアは4階と5階。

元々は分かれていた2つのフロアだがリノベーションを行い、可能な限り壁を取り払って広い大きな空間に生まれ変わった。最も象徴的なのが、2つのフロアを打ち抜いて設置した開放感たっぷりの階段。週に1回開催される全社員の集会もこの階段スペースが中心となる。

■ ステキその3:リラックスできる打合せスペース
オープンスペースにある複数の打合せスペース。会議室も全てガラス張りで明るい雰囲気である。

■ ステキその4:会議室の名前
会議室の名称は往年の人気ゲームのタイトル名。

「じゃあ、次の打合せはドンキーコングで!」といった会話が交わされているのだろう。ちなみに、1Fの部屋はAで始まるゲーム名(例えばAsteroids)、一階あがるごとにアルファベットが進み、5階はEで始まるゲーム名(例えばElevator Action)となっているという。

■ ステキその5:ランチ風景
毎日ケータリングサービスを通じたランチが提供される。
この日はなんとラーメン!社員同士が仲良く談笑しながら食べている様子は大学のようでもあった。

■ ステキその6:コーディングしながら走れる運動器具
食後に活用されることが多いというランニングマシン。
前方に設置された台にラップトップを乗せ、画面を操作して仕事しながら走るというザ・シリコンバレー仕様のマシンだ。


■ ステキその7:立ってコーディングできる机
健康への配慮から、立ったまま作業できるPC机を利用している社員も多い。あまり日本ではみかけないが、シリコンバレーでは一般的なようだ。

■ ステキその8:全面ホワイトボードの壁
オフィス内の壁はほぼ全てがホワイトボードとなっている。
わざわざ会議室に入らなくてもその場ですぐに打合せが始められる。
デザイナーによる落書きのクオリティも異常に高い!

■ ステキその9:日本が大好き
「お〜いお茶」の消費量が多いことでも知られるEvernote社は大の日本好き。スマートフォンアプリ「Evernote Food」(エバーノートフード)をつくっているチームの机には日本食のモックが。
同アプリのアイコンや商品説明映像でも日本食がフィーチャーされている。

■ ステキその10:ドラを打ち鳴らすCEO
先に紹介した吹き抜けの階段に設置されているドラ。
週一回の全社員集会の際にはCEOであるフィル・リービン氏がこのドラを打ち鳴らして会をスタートさせるのだという。こちらの無茶なリクエストにも気軽に応じてその様子を再現してくれたお茶目なCEO。

世界中で急成長するEvernote。その爆発的なスピードとは裏腹に、とてもゆったりとした、ステキな雰囲気に満ちた社内。リラックスしながら、プロダクトの開発に専念することができる素晴らしいオフィス環境だ。

次回はその中で活躍する2人のキーパーソンへのインタビューとCEOからのメッセージを紹介する。
(exciteapps)