「水も滴るいい男」という言葉があるが、濡れると魅力がアップするのはイケメンだけではない。……レタスのことを、私は言っている。
シャキシャキのレタスが水を弾いているのを見るだけで、キュンとするのです。そして、ドレッシングを持って来たくなる。

私に同意してくれる方はいないでしょうか? ノレる人たち、聞いてください。我々に耳寄りな逸品があるから! 傘専門店「東京ノーブル」が5月22日より発売しているのは、“レタスみたいな傘”。その名も、『Vegetabrella(ベジタブレラ)』(税込み4,725円)であります。

もう、画像をご覧いただいた方がいいと思う。
これ、レタスじゃん! レタスにしか見えない。でも、広げると確かにアンブレラ。いいねぇ。でも、どうしてこんな商品を作ったのだろう?
「美大生の女の子が授業の一環で“レタスの傘”を完成させていたんです」(「東京ノーブル」・市瀬店長)
雨に濡れると瑞々しく、陽に当たると鮮やか。そんな見たこともない傘に、市瀬店長は一目惚れ! しかし上記の作品は、あくまで授業の中で出来上がった美術品。傘としての実用性は兼ね備えていなかったという。


そこで同店では、レタスみたいな本格的な傘を製作することを決意! しかし、そこには数々の問題が待ち構えていた。
まず、レタスなんだから皺が欲しい。これが、もう無茶なのだ。だって、ピン! と張られた状態で差すのが傘だから。そこに皺をかけると骨組みと布地の縫い合わせ部分がズレてしまい、開かなくなってしまう。しかし、その課題も何とかクリアしてみせた。

「これが、職人芸なんです。何とか、皺が残ったまま傘にすることができました」(市瀬店長)
同店には10名前後のスタッフしか在籍しておらず、製作には膨大な時間がかかるという。色出しに2~3ヶ月、生地作りに1カ月、シワ加工にも手間がかかるし……。結果、一つのサンプルが形になるには数ヶ月が必要になってしまうそうだ。何せ、『Vegetabrella』の完成に至るまで2年の月日を要してるらしいから。ご苦労様です。


そして、その苦労は報われた。“レタスみたいな傘”は、今や大人気である。
「スタッフは他の傘も製作しておりますので、『Vegetabrella』だけに専念するわけにはいきません。現在、ご注文を頂いたお客様には1カ月お待ちいただいている状況です」(市瀬店長)
手作業で作り上げる傘なので、一日に完成する本数は10本が限度。いち早く手にしたいだろうけど、ご了承ください。

ちなみに、主な購入層について。

「若い男性が中心ですね。プレゼント用の購入が多いみたいです」(市瀬店長)
思い出してほしい、若者が持つ傘の種類を。私もそうなのだが、変に凝った傘を持つよりはビニール傘をチョイスしてしまう。無難だし、お手軽だし。しかし、この傘を買った若者から「ビニールをやめて、レタスを使うようになりました!」といった反響が寄せられているそうなので、いつか勢力図が崩れるかもしれない。

私は、大きな葉を傘にするトトロを思い出してしまいました。

(寺西ジャジューカ)