先日、Ustreamのトーク番組「ラーメンミュージシャン井手隊長の『今3時? そうねだいたいね』」内で、メンタリストDaiGoさんと、(株)ハイブリッドコンサルティングCEO・吉山勇樹さんによる対談が行われた。パーソナリティを務める井手隊長が、吉山さんの著書『今を変えるための気づきの手帳』の版元、あさ出版の宣伝担当でもあることから吉山さんがゲストに登場。
「本書で書かれていることと、メンタリズムの手法には共通点がある」と吉山さん。そこでメンタリストDaiGoさんを招いての対談が実現した。

吉山さんは、企業の人材育成や業務改善のコンサルタントとして活動している中で、成果をきちんと出しているビジネスパーソンは、上司の指示の意図に気づく、身の回りの変化に気づくといった「気づき」の能力が高いことに着目。

「気づくことで意識が変わる。意識が変わると行動が変わる。行動が変わると成果につながる」−−著書『今を変えるための気づきの手帳』では、そういったできるビジネスパーソンの「気づき」を「100のポイント」に落とし込んで紹介されている。


DaiGoさんが提唱している「メンタリズム」とは結局何なのか? DaiGoさんの著書『これがメンタリズムです』(幻冬舎)から引用すると、「超能力や霊能力と言われる超常現象を、科学やさまざまなロジックをトリックと結びつけ再現してみせるパフォーマンス」、“技術”のこと。ここでいう「科学やさまざまなロジック」のひとつを具体的に挙げると「観察力」であると本書。まさに「気づき」の能力だ。

吉山さんは、職場で自分が問題や悩みだと思っていることは“思い込み”であることが多く、「それって本当に問題?」「本当に悩むようなことなのだろうか?」と自問自答するクセをつけて本質を見極めることが大切と説く。

「メンタリズムは相手の思い込みを意識して利用したもの。相手の思い込みに気づき、その思い込みを利用して、錯覚を引き起こしたり、選択肢から取ってもらいたいものを誘導するのがメンタリズムの手法のひとつ」とDaiGoさん。


メンタリズムでは、「目線、口の開き方、体の向き、姿勢、つま先の位置などを細かく観察し、さらに踏み込むなら、その人の言葉、動作、こちらが発した言葉や行動に相手がどう反応するかという『能動的な姿勢』も観察する」と『これがメンタリズムです』で書かれている。

DaiGoさんが番組で語っていて「なるほど~」と思ったのは、「人の心を読むには、たとえば、相手の口元の筋肉を観察してみる」ということ。口元の筋肉がゆるんで、ときおり歯が軽く見え隠れしているなら、自分の話に関心があって、もっと話を聞きたいと思っている。ところが、自分の言うことに興味がない、あるいは相手側がしゃべりたいと思っているときは、口の周りの筋肉が緊張して口元が閉じられていることが多いのだという。
こうして相手の心の内に気づくことによって、プレゼンや交渉時に、話をどう展開すればいいかの手助けになるというわけだ。

また、印象的だったのは、「気づきで得た情報の出しどころを変えることによって、より相手の心をつかむ」といった話。
たとえば、相手の服装をホメるときに、「今日の緑のネクタイも素敵ですけれど、この前の青のものも良かったですよね」と前に会った時の服装をメモなどして覚えておいて、その時にホメるといったもの。

「最近の企業はプレイングマネージャーの上司が多くなっていて、部下に対する目配り、気くばりが足りない現状を目にするので、こういった現場でメンタリズムの観察力を活用してほしい」と吉山さん。

今後、ビジネスシーンや日常生活でも活かせるメンタリズムの手法を体系化して広めていきたいというDaiGoさん。当日のUstreamのアーカイブ映像はこちらから見ることができるので、チェックしてみて。
(dskiwt)