東京五輪の次、2024年五輪は1924年のパリ五輪から100年目に当たり、パリが開催地の本命だ。2020年に招致を成功させた東京も、国立競技場建て替え計画や福島原発の汚染水問題など、結果的に五輪招致を成功させたものの、いまだ様々な意見はある。
実際フランスでは、どれくらいの人たちが自国の五輪開催を望んでいるのだろうか。

仏SportLabが9月から10月にかけて、15歳以上1000名を対象に行った調査によれば、3人中2人が2024年の五輪招致を求めているという。67.2%の人々がフランスでの五輪開催を「かなり賛成」「ある程度賛成」と答え、64%がパリでの開催を望むと回答した。そのうち五輪にもっとも関心がある世代は15歳から24歳で、フランス開催を求める割合は84.4%、パリ開催は81.8%に上る。

開催地住民の五輪支持は、招致にとって大切な指標の一つだ。2022年の冬季五輪に立候補を予定していたミュンヘンは、11月に住民投票を行った結果、52.1%が反対に投じ立候補を断念した。


そんなにパリは有利なのか。2020年がアジアの東京に決まったことで、地理的にパリにとって追い風になるといわれるが、それは立候補を検討する他の欧州都市にとっても同じだ。2024年は欧州だけでも、現時点ではベルリン、ローマ、ミラノ、サンクトペテルブルク、キエフなど知名度ある都市が並ぶ。アフリカ大陸やアメリカ大陸の大都市も、立候補を検討しており強力なライバルは多い。また招致の是非は、将来のパリ市長の意向も関わってくる。

これまでフランスは、2004年リール、1992年、2008年および2012年パリの夏季五輪、そして2018年アヌシーの冬季五輪と招致は失敗続きだ。
2012年は本命といわれつつ、ロンドンに開催地を奪われてしまった。

また、オランド大統領やファビウス外相をはじめ仏政府高官は、来年2月のソチ五輪開催式に出席しないことを決めた。これはロシアが制定した同性愛宣伝禁止法に抗議しての欠席だが(米オバマ大統領、ドイツのガウク大統領、ポーランドのコモロフスキ大統領、同トゥスク首相も欠席する予定)、仏国内の一部報道では、この欠席が国際オリンピック委員会(IOC)の心象を害し、2024年の招致レースのスタートで出遅れてしまうのではとの指摘もある。

2024年の五輪開催地は2017年のIOC総会で決まる。今回こそパリは見事に開催を勝ち取れるのか。油断はできない。

(加藤亨延)