最近、スチームパンクという言葉をよく見るようになった。いったいどんなものなのか、『スチームパンク東方研究所』(グラフィック社)という本を作っている編集者さんに聞いてみた。


「スチームパンクとは、スチーム(蒸気機関)を主な動力とする、19世紀~20世紀初頭のイギリス産業革命時を時代背景にしたSFの一ジャンルです。蒸気機関、黄銅、歯車、皮、ビロード、ネジ、銅などを多用した機械やインテリア、ファッションなどを指します」

スチームパンクとひとことで言っても、さまざまなな描き方が存在するということだが、主なスチームパンク作品は、書籍『海底二万マイル』、アニメ『天空の城ラピュタ』、マンガ『鋼の錬金術師』など。ラピュタに出てくるパズーやシータが着ていたファッションや工場の風景などを思い浮かべるとわかりやすいかもしれない。では、どんな人たちがスチームパンクファンなのだろうか。

「手作りで個性的なものが好きなクリエイターたち、ヴィクトリアン調、シャーロック・ホームズの世界を好む女性たち、大正ロマン好きな在日外国人たちにスチームパンクファンが多い印象ですね」

ヴィクトリアン調、シャーロック、大正ロマンと非常に幅広いですが、全体にレトロチックなテイストを好む人々が中心のようです。ファッションで中でも流行っているのは「皮、黄銅、歯車、ガラスなどを使ったアクセサリー、時計、帽子など」の取り入れやすいもの。
さて、人々がスチームパンクにハマってしまう理由も聞いてみた。

「ファストファッションの時代の反動として、黄銅やガラスの持つきらめきと重さ、皮やビロードの質感、繊細な歯車や金属加工の手工業などに生理的にひかれるのだと思います」

ファストファッションというとユニクロやGAPが代表的。スポーティでシンプルであるものの対極としてスチームパンクは人気なのだろう。質感重視のものにひかれるのは、いつの時代も同じなのかもしれない。

見るだけで楽しそうなスチームパンクファッション。今年はスチームパンクの嵐が吹き荒れそう!
(カシハラ@姐御)