フランスのスーパーマーケットでは、レジ係の店員さんは座って接客する。あいさつも客側から「ボンジュール(こんにちは)」とするし、客側から「メルシー(ありがとう)」と言って、店を出る時もある。
日本だと店員さんは立って接客してくれて、何も買わなくても「ありがとうございます」と頭まで下げてくれる。

これは文化の違いなので、どちらが良い悪いということではないのだが、そういう接客環境から日本へ帰ると、何事も丁寧だなと感じる。一方で自分が接客する側になった時は、日本では客に対してフランクに振る舞えないので、とても気を遣う。結局、丁寧な接客を受ける環境では自分も相手に丁寧にならざるをえないが、フランクな環境ではフランクで良いので、どちらも変わらない。

さて、そのスーパーマーケットで、商品を買う時に必ず使われるのがバーコードだ。じつはそのバーコード、今年で40周年を迎えた。
技術の進歩とともに、スタンダードだったものが、すぐに新しいものに取って代わられるのは世の常であるものの、バーコードは40年間もその地位を保ち続けてきた。

バーコードが私たちの生活に登場したのは、具体的にいつなのか? じつは1974年6月26日にさかのぼる。米オハイオ州トロイ市のスーパーマーケットで、リグレー社のフルーツ・チューインガム10個パックに付けられたバーコードが読み取られ、歴史は始まった。これがレジで商品を会計する際に、初めて読み取られたUPCコード(米国やカナダで使われるバーコード)と言われている。その後バーコードは世界中どこでも見かけるものになり、ほぼすべての商品に添えられるようになった。

バーコードを読み取るにはスキャナを使うが、数字を見ても一部の情報は知ることができる。
頭の数字が国番号を表していて、それを覚えておけば、どこの国の会社の製品か判別できるのだ。日本は「450~459」「490~499」だ。そのため日本の店で売られている製品の多くは、それらどれかの数字が頭に付いているはずだ。逆に輸入品を扱う店に行くと、異なった数字がパッケージに印刷された商品を見られる。ちなみに国番号の後ろは、メーカー情報、商品情報が並び、末尾は特殊な計算を使い、それらコードが正しいものかどうかチェックするための数字になっている。

これを覚えているだけで、慣れ親しんだスーパーマーケットの商品が違ったものに見えてくるはず。
いつも買う商品には頭にどんな数字が並んでいるのか、チェックしてみよう!
(加藤亨延)