巷のB級ニュース“小”ネタを毎日配信!

2

世界が注目する日本発アート「具体」とは? 具体作家・松谷武判さんに聞く

ライター情報:加藤亨延
立体化したものを作りたいというイメージはあったものの、普通の絵の具ではできませんよね。そこで天気の良い日に、木工用ボンドを意識的にキャンバスに流し、その面をひっくり返してみたんです。するとその時、風がすっと吹いて、ボンドが氷柱のように残ったのを見て、これは面白いと思いました。そしてボンドの皮膜がある程度固まった時に空気を入れ、その丸みにかみそりで直接切り込みを入れて、ひっくり返し乾かすと、唇や性器のような形ができます。意識では制御しにくい造形が現れる偶然が良かったです……。手で描けば思い通りになりますが、これはおおよそしかできません。

――鉛筆に至った経緯は? 
白黒のみの配色や、空間の取り方など、日本の伝統的価値観をもう一度考えてみました。書と墨を取り入れていた人はすでにいましたし、それなら鉛筆でやろうと思いました。決めた以上は続けねばなりません。続けていくうちに今の形になりました。こういう仕事は自分の精神的な面がすごく作用するので、それを大切にして無限の空間を表現します。繰り返しの作業で、作品に時間を埋め込んでいきます。
Circle-13 (円-13), 2013, 146×114cm, ボンド糊によるレリーフ、鉛筆、キャンバス (relief vinylique, mine de plomb, acrylique sur toile) , photo : Reiko NONAKA

――発想はどういう時に生まれますか? 
直感を大事にしています。ただし意識的に直感を大事にしようと思っている時は無理ですね。目覚めた時とか、道を歩いている時とか、ふとした瞬間にそういうものが浮かぶので、スケッチブックにメモします。

――自分のスタイルはいつ確立したと思いますか? 
スタイルを確立するというか、(持って生まれたものか勉強や体験から得たのか、それは人によりさまざまですが)自分が持っているものを大切にし、その奥にあるものを引き出して創作しています。
関連キーワード

ライター情報: 加藤亨延

ジャーナリスト。日本メディアに海外事情を寄稿。主な取材テーマは比較文化、および社会、政治。取材等での渡航国数は約60カ国。ロンドンでの生活を経て現在パリ在住。『地球の歩き方』フランス/パリ特派員ブログ

URL:http://tokuhain.arukikata.co.jp/paris/

2015年1月6日 10時00分

コメント 2

  • ぬし 通報

    アートをしている外国人夫から、グタイって知ってる?と言われ全く知らなかったので、辿り着きました。外国各地で影響を与え続けているのだなと思いました。

    0
  • ぬし 通報

    工芸に関しても、このままいくと日本から消えていってしまいそうなので、何とか生き残ってほしい

    0
コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!