以前、コネタで「ソロウェディング」を取材したことがあります。あれは、たかだか1年ちょっと前の話でした。
それがいつの間にやら、もはやお馴染みのサービスに。女性の間で、一人で挙げる結婚式にニーズがあったということでしょう。

夫と顔を合わせずに行う離婚式


この人気の余波は、結婚式にとどまらない。その名も「ソロ離婚式」なるサービスが、2月29日(円満離婚の日)より始まるそうです。

一人で挙げる「ソロ離婚式」登場 女友達に愚痴を吐きケジメつける
(写真:ハッピー離婚式 鈴木えみ)


離婚式」をプロデュースする寺井広樹氏に話を伺いました。

「最近、女性からよくお聞きするのは、離婚式までは挙げたくないけれど『友達にはきちんと離婚について報告したい』『仲間から祝福や励ましが欲しい』という声でした。二人で行う式でなくても『ケジメをつけて明るい門出を迎える』という目的を果たせるよう、ソロ離婚式でもしっかりプランニングしてまいります」(寺井氏)

「ソロ離婚式」は、基本的に女性向けのサービス。
「今さら元夫と揃い踏みはしたくない」という奥様側の心理が、この新サービスを生み出しだのでしょう。

ちなみに料金は、一律50,000円。通常の離婚式は55,000~200,000円という料金設定(会場によって料金が変わる)なので、随分とお得です。

「通常の離婚式では結婚式場や屋形船等が会場となりますが、ソロ離婚式の会場は基本的にレストランになります」(寺井氏)

とは言え、やはり厳粛なる式の場です。旧婦(離婚式を挙げる女性のこと)はウェディングドレスを着て登場するケースもある模様。

「結婚式で着れなかったウェディングドレスを着たいがために離婚式を挙げられる方もいらっしゃいます。
『離婚式でウェディングドレスを着ると離婚しない』という迷信がありますが、あくまで迷信に過ぎません」(寺井氏)

では、ソロ離婚式の基本的なプログラムについて。

(1)離婚に至った経緯を司会者が説明
(2)ソロ離婚届に署名
(3)これまでの結婚生活をスライドショーで振り返る
(4)思い出の品を処分


「通常の離婚式にて大きな見せ場となる『ハンマーで結婚指輪を叩き割る』イベントは、ソロ離婚式では行わない予定です。ただ、リクエストがあればお応えしたいと思います」(寺井氏)

寺井氏は「ソロ離婚式」のメリットとして、以下の3つを挙げてくれました。

・ケジメをしっかりつけて、良い形で再スタートが切れる。
・周囲の人に離婚を報告することで、周りの人も気兼ねなく接することができる。
・離婚を疑似体験できる。


「離婚に至らなかった女性からも、ソロ離婚式ではお申し込みを受け付けます」(寺井氏)
それを知ったら、旦那さんはどういう心境になるのだろうか……。

ソロ離婚式では、結婚生活での愚痴を吐き出す「黒活」が行える


その上、通常の離婚式では行うことのできない「黒活(くろかつ)」がソロ離婚式では許されます。

「黒活とは、愚痴を吐き出す活動です。他人の悪口はいけませんが、これまでの結婚生活への不満や愚痴を吐き出すことは次のステージに進む上で時として大切なことと言えます」(寺井氏)

旧郎(離婚式を挙げる男性のこと)が同席しないソロ離婚式だからこその、スペシャルな特典と言えるかもしれません。

「『離婚式は何だか気まずくて参列しにくいけど、ソロ離婚式であれば参列しても良い』という御友人からのお声もあるようです」(寺井氏)

その御友人たちと、愚痴大会が繰り広げられるのでしょうね……。

明日からのスッキリした船出を迎えるために、かなりドロドロした言いっ放しが想定できなくもない「ソロ離婚式」。
元夫がいないだけに、欠席裁判のような形にならないだろうか?
いや、離婚したのだから、気兼ねすることもないのか……。
(寺西ジャジューカ)