お酒を飲むとクシャミや鼻水が出る理由 アルコールアレルギーの可能性も
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「顔が赤くなって、かゆい!」
「吐き気が……」
「鼻水がでる!」

お酒をのんだときに、こんな不調を感じた人はいませんか?
その原因は、「アルコールアレルギー」を発症していたからかも!
今回は、突然発症する可能性もあるアルコールアレルギーについてRサイエンスクリニックの院長で医学博士の日比野佐和子先生にお話を聞いてきました!

日本人の約半分がアルコールアレルギー?


「日本人は約半分がアルコール分解できる酵素をもっていないと言われています」と佐和子先生。
アルコールは、肝臓で分解されて、アセトアルデヒドになります。このとき、分解しきれなかったアセトアルデヒドは、血液中に流れ出て、脂肪細胞を刺激し、アレルギーの原因となるヒスタミンを発生させます。
日本人の半分は、もともとアルコールの分解酵素を持っていないと言われていて、アルコールアレルギーも発症しやすいとのこと。
なんと、日比野先生自身もアルコールアレルギーを持っているのだそう!主な症状は以下。

【アルコールアレルギーの症状】
・顔が赤くなる
・かゆくなる、じんましんや湿疹
・吐き気、下痢や腹痛
・鼻がつまる、くしゃみ、鼻水
お酒を飲むとクシャミや鼻水が出る理由 アルコールアレルギーの可能性も
Rサイエンスクリニック広尾 日比野佐和子先生


アルコールアレルギーかチェックしよう


自分がアレルギーかどうか確認するためには、さまざまな方法があります。

・パッチテスト
70%のエタノールをガーゼなどに染み込ませ、 上腕の内側に7分間貼って10分後の皮膚の色で判別。精度は90%以上。
はるだけで、チェックすることができるキットも市販されています。

・血液検査
内科を受診して血液検査により遺伝子検査を行う事でチェックすることができます。
先生曰く医療機関で検査するので、一番確実とのこと。

・唾液検査
昨今では、医療機関に行かずに遺伝子検査を行う機関に唾液や爪を送る事で、アルコール体質チェックすることも可能です。


もしも、アルコールアレルギーだったら……?


自分がアルコールアレルギーだった場合はどうすればいいのでしょう。
まずは、アルコールに触れないこと。化粧品などでもアルコールが入っているものは避けるようにしましょう。
次に、アルコール飲料をすすめられても断る勇気をもつこと。お酒の場では、アルコールアレルギーであることをきちんと伝える。
飲めない人に飲むことをすすめるのもNGです。
アルコールは飲めば飲むだけ強くなる理由が、最近解明されました。これは、アルコールを分解する別の酵素であるミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)の活性がアルコールを飲んでいるうちにだんだん高まってくるから。ただ、本来MEOSの働きは薬物代謝であり、お酒に強くなるのと同時に、薬に対しての耐性もできてくるという問題もあります。また、このMEOSが、癌リスクを高める事もわかってきています。
ですから、もともとお酒が弱い人や強くても過剰に飲めると思っている人は、このMEOSが働いている可能性があるので、無理は禁物。
お酒は気持ちよく、適度に飲む事が一番です。


突然の発症の恐れも……アルコールアレルギーを予防しよう


アルコールアレルギーは分解酵素をもっていたとしても、体調を崩しているときや免疫が下がっているときは、発症しやすくなるとのこと。
また、花粉などのアレルギー同様、突然発症することもあるので、日々飲み過ぎに注意し、肝機能と免疫を高める生活を送ることが大切です。

【肝機能を高める】
アルコール分解酵素の働きを高めてくれるシジミなどに多く含まれるオルニチンやアラニン、肉や魚などに多く含まれるグルタミンなどのアミノ酸をバランスよく摂取するようにしましょう。

【免疫を高める】
免疫細胞の6割は腸内にあります。腸内環境を改善し、免疫細胞を活性化して、アレルギーに負けないカラダづくりをしましょう。

乳酸菌やビフィズス菌、納豆などの発酵食品を日常的に摂るようにして善玉菌を増やす食生活を。規則正しい排便生活を心がけることも大切です。

みなさんも自分の体質に合わせて、お酒と上手に付き合いましょう。
(YUE /プロップ・アイ)

取材協力:Rサイエンスクリニック広尾 日比野佐和子先生