「和食×チョコレート」の組み合わせはアリなのか

バレンタインデーをはじめとして、チョコレートへの情熱が衰えない日本人。数ある「好きな菓子」アンケートでもチョコレートが上位に上ることが多い。

果たして、この日本人のチョコ好きは、世界でみるとどれくらいなのだろうか? ヨーロッパに足繁く通うチョコレートに詳しい専門家に、日本人とチョコレートの関係、そして和食とチョコレートのおいしい組み合わせについて聞いてみた。

日本人のチョコレート好きはどのレベル?


「和食×チョコレート」の組み合わせはアリなのか

日本人はチョコレート好きのように思えるが、世界と比べるとどうなのだろうか。イタリア料理家でチョコレート愛好家の石川みゆきさんはこう語る。

「私は仕事柄、もう20年以上ヨーロッパに通っていますが、私が知っている限り、日本ほど世界中のチョコレートが集まっている国は記憶にありません。日本でのバレンタインシーズンのイベントやチョコレートの人気には驚くばかりです。
ただチョコレートが生活の身近に入り込んでいるヨーロッパとは、少し様相が異なります。特に長年通っているイタリアでは、テーブルの横にチョコレートが置いてあることが多かったり、よく食後に出てくることもあったりします」

「日本のチョコレートは、まだまだ私たちの生活の中には溶け込んではいない気がします。
ただ、これだけ種類が集まったチョコレートですから、今後、徐々に生活の中に溶け込んでいくのではないでしょうか」

日本人はチョコレート好きでありながら、和食を中心とした食生活にはなかなか相入れないものがあるのかもしれない。


「和食×チョコレート」はあり?


だが最近では、チョコレートが醤油や味噌、ご飯とコラボレーションする商品が開発されている。これらの組み合わせ、チョコレート愛好家としてはどうなのだろうか?
「日本食は発酵調味料が多く使われます。例えば醤油、味噌などが代表的だと思います。実は、チョコレートもカカオを発酵させて作る発酵食品。発酵食品どうしの組み合わせは、決して悪くはないはずです」

そこで石川さんに、より醤油、味噌、ご飯とチョコレートをよりおいしく食べるアイデアを教えてもらった。


「醤油のほろ苦さは、チョコレートの甘さと合うと思います。お餅にチョコレートを挟んで、醤油につけて食べてもきっとおいしい! 大福などに味噌餡とチョコレートをはさんでもおいしそうです。豆菓子などは、醤油と溶かしたチョコレートを混ぜ合わせて、まわりにまぶしてもおいしいと思います」

「味噌は、甘じょっぱさがチョコレートと合いそうです。チョコレート味噌はご飯にも合うと思います。ご飯にはチョコレートを隠し味に使うようなおかずが合うのではないでしょうか。例えば、魚の味噌煮の砂糖の代わりに、少しチョコレートを加えて煮ると、味にコクがでて美味しい味噌煮ができあがりますよ」

(石原亜香利)


取材協力
石川 みゆきさん
イタリア料理家、フードコーディネーター、栄養士、チョコレート愛好家。

現在鎌倉にてイタリア家庭料理教室「Buon Piatto Kamakura」を主宰。
http://www.acquamiyu.com