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古書店で10万円の奇書『すすきののママ101人』はなぜ生まれたのか

2017年3月20日 08時00分 ライター情報:スズキナオ
保育社の「カラーブックス」というシリーズが好きだ。

1962年に創刊された文庫サイズの本のシリーズで、『熱帯魚』、『宝石』、『観葉植物』、『結婚式のマナー』などといった幅広いテーマについて図版をたっぷり使って解説している。「カラーブックス」の名の通り、カラー写真が豊富に使われているのが特徴で、オールカラーではないのだが、モノクロページの合間合間にカラーページが挟まり、コンパクトかつカラフルな「ミニ図鑑」といった印象。

1962年に出版されたシリーズ9冊目『ハワイ』に記載されたカラーブックスの宣伝文句には「読む文庫から見る文庫へ進化した美と知識の宝庫」、「レジャーを活かす現代人のホームライブラリー」とある。なんとなく伝わってくる通り、家庭の本棚に置いておいて気軽にパラパラめくれる、様々な知的好奇心にこたえてくれる本、という主旨のシリーズなのである。

筆者の家の本棚には古本屋で集めた「カラーブックス」がたくさんある。例えば『家庭犬』。表紙からして良い。

その名の通り、これでもかと家庭犬の写真を見ることができる。

こちらは『スキー入門』。

時代を感じる写真の風合い。


と、こんな「カラーブックス」シリーズなのだが、現在までに909巻が出版されている。家庭用のミニ図鑑といったシリーズなので、割とお堅いテーマが並ぶ中、“シリーズ最大の奇書”と言われているのが『すすきののママ101人』という一冊なのだ。オシャレな雰囲気の表紙を開くと、

めくってもめくっても「ママ」また「ママ」。


タイトル通り、北海道・札幌の一大歓楽街「すすきの」の居酒屋やスナックやバー、コミック・ゲイバーのママたちまでもが次々紹介されている。各ママに対して、生年月日を始めとした29の質問項目が設けられているのだが、「趣味・特技」、「好物」といった項目はまだ分かるとしても「美容室へ行く回数」、「愛用している香水、オーデコロン」なんていう質問まで用意されている。

平成元年、1989年に出版されているので、30年近く前に出た本なわけだが、「ふーん、このママはカレイの煮付けが好きなんだなー」などと、今知っても役に立たなそうな情報が読んでいて頭の中にたくさん入ってくるのがなんだか面白い。

“奇書”と言われるだけあって、この本、実は古書市場では絶えずプレミア価格がついていて、筆者もずっと欲しいと思いつつ、ネットで検索すると1万円を超える価格になっているのが当たり前。中には10万円という値付けをしている古書店もあったほどなので、いつかお金を貯めて買おう!と決めていたのだった。それが先日、酒に酔ってアマゾンやオークションなどを見ている時の悪い癖で、やたら気が大きくなって「えーい! 買ってしまえ!」みたいになったらしく、翌朝目が覚めてみたら購入通知メールが届いていたのだった。

とにかくそんな勢いでようやく手に取ることができた『すすきののママ101人』。読めば読むほど、「このおかしな魅力に溢れた本は一体なんなんだろう」という思いが深まり、さらには、この本の著者である木村久里さんという方に無性にお話を聞いてみたくなってきた。お名前で調べてみるとすぐにご本人の公式サイトが見つかり、ダメもとで連絡を取ってみたところ、なんと取材を受けていただけるということになった。
さあ、ようやくここからが本題。『すすきののママ101人』の著者・木村久里さんにこの本の誕生秘話や裏話をたくさん聞いてきた。
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ライター情報: スズキナオ

1979年生まれ水瓶座・A型。立ち飲みや無目的な街歩きが趣味。チミドロっていうテクノバンドをやっています!

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