上野動物園の赤ちゃんパンダ、名前が決まるまで何と呼ばれてるの?
上野動物園のパンダ舎にはこんな看板も。

いま、日本中の老若男女が温かい気持ちで見守っている、上野動物園の赤ちゃんパンダ。
政治ネタや事件のニュースで険しい顔をしているコメンテーターですら、一瞬にして破顔してしまう、その可愛さの破壊力には、凄まじいものがある。


そんな赤ちゃんパンダの名前が決定するのは、9月下旬。まだ一カ月も先だ。

ニュースを見るたび、どうにも気になるのは、名前が決まるまでの間、スタッフなどが赤ちゃんパンダを何と呼んでいるかということ。
人間なら、胎児の段階から、お母さんはお腹の中の子にニックネームなどをつけて呼びかけることが多い。

もちろんパンダと人間では事情が異なるにしろ、生後100日前後もの期間、お世話をするときに名前がないのは、ちょっと不便だし、ちょっと可哀想な気もしてしまう。

ネット上で盛り上がったニュースから、すでに心の中で「ピンクピン太郎」と呼んでいる人はけっこういそうだけど……。


正式な名前が決まるまでのスタッフ内の暫定的ニックネームはあるのだろうか。あるいは、「赤ちゃん」とか「ベビーちゃん」とか、銘々に呼ぶもの? 「まだ赤ちゃんのうちは、ビックリさせないようにできるだけ声をかけない」などのルールがあったりして?

上野動物園に聞いてみると……。
「赤ちゃんパンダの呼び名については、それぞれで呼んでいるものがあるかとは思いますが、特にコメントできることはありません」(教育普及係)
確かに、仮に「○○や△△と呼んでいる」などと答えてしまうと、正式な名前決定の際に支障が出るリスクがあるのかも。


なぜ生後100日前後に名前をつける?


上野動物園の赤ちゃんパンダ、名前が決まるまで何と呼ばれてるの?

それにしても、赤ちゃんの名前が正式に決まるまでは約100日間。なぜそんなにも時間がかかるのだろうか。「ここまできたら安心」という目安なのか。
それとも、選考に要する時間なのだろうか。
「名前を決定する『生後100日前後』という時期は、あくまで赤ちゃんの成長を目安としています。まだ不安定な時期に名前をつけるわけにはいきませんから。パンダの赤ちゃんは生後100日をこえると順調ととらえられています。そのため、一定程度の成長度合いに達したととらえられる目安の時期(生後100日前後)に名前をつけるのが慣例となっております。名づけの時期は、中国でも同じような時期になっています」

過去の事例をさかのぼってみても、1986年にトントンが、88年にユウユウが生まれた際の名前の決定も、やはり生後100日前後だったそう。

名前の選考は、日本パンダ保護協会名誉会長の黒柳徹子、作詞家の湯川れい子ら6人の「名前候補選考委員会」により、応募総数の多い上位100点から最終候補10点を選んだ後、中国側と協議して、すでに使用されている名前などを除いた上での最終決定となる。

ところで、もう一つ気になるのは、パンダの赤ちゃんに実際に会えるのはいつ頃かということ。
「過去の事例では、生後半年くらいで公開になっておりますので、慣例的には12月以降となるかと思います」
ただし、これはあくまで目安。名前決定まであと約1カ月、一般公開までは4カ月弱?
ゆっくりじっくり成長を見守っていきたい。
(田幸和歌子)