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アルコールパッチテストって、どの程度正確なの?

2018年5月23日 08時00分 ライター情報:田幸和歌子
アルコールパッチテスト、やってみたことありますか?(写真はイメージ)

近年は、高校や大学で、入学後にアルコールパッチテストを行うところが多数あると聞く。
4月中には、Twitter上などにもアルコールパッチテストを学校で行ったという高校生、大学生のつぶやきが多数見られた。

そうしたつぶやきの中でよく見かけるのが「アルコールパッチテストってどの程度あたるの?」という疑問。
そもそもアルコールパッチテストって、どういう仕組みで行われるの? また、その信ぴょう性は? 

『「うつ」の捨て方―考え方を変えるために考える』(弘文堂/共著)等の著書を持ち、さまざまな依存症やうつに対する医療を行う、医療法人社団小岩榎本クリニック院長の深間内文彦先生に聞いた。


アルコールパッチテストの仕組み


「アルコールパッチテストは、ガーゼ付きばんそうこうに市販の消毒用エタノールを2~3滴染みこませ、二の腕の内側に貼るという方法で行います。7分後にはがし、はがした直後にその部分の肌色の変化を見て、はがしてからさらに10分後に、もう一度肌の変化を見るのが一般的な判定方法です」

また、判定の仕方は以下の通り。

<a. 肌の色に変化なし>
体内でアルコールを分解する力が強いタイプ

<b. 10分後に肌の色が赤くなる>
アルコールを分解する力が弱いタイプ

<c.はがした直後に肌が赤くなる>
酒の飲めないタイプ

「そもそも体内でアルコールの分解をするのは大部分が肝臓ですが、皮膚にも肝臓と同様の分解酵素が存在しています。そのため、簡便に皮膚でチェックができるわけです」

飲酒後の悪酔いや二日酔いの原因となる物質は、アセトアルデヒドである。
アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解されるが、アセトアルデヒドは毒性が強いため、顔が赤くなったり、吐き気や頭痛、めまいなどの不快症状を引き起こしたりするという。
「この悪玉であるアセトアルデヒドはやがて『アセトアルデヒド脱水素酵素』の働きによって無毒な酢酸に分解されます。そして、最終的に水と二酸化炭素になって、体外に排出されるのです」
そのため、アセトアルデヒドを処理するアセトアルデヒド脱水素酵素の能力が高ければ、酒に強い要因のひとつになるという。

ちなみに、パッチテストは、皮ふにあるカタラーゼという物質とアルコールが反応してアセトアルデヒドが生成されることによって、毛細血管が拡張し、赤くなる性質を利用したものだそう。
「つまり、アセトアルデヒド脱水素酵素の活性が高ければアセトアルデヒドはすぐに分解されるので、肌の変化は現れにくく、逆に、アセトアルデヒド脱水素酵素の活性が低ければ、アセトアルデヒドのままいつまでもそこに残るので、毛細血管が拡張して赤くなります」

ということは、やはり「アルコールパッチテストで赤くなる人=お酒に弱い人/赤くならない人=お酒に強い人」は、かなり信ぴょう性が高いということか……。
「ただし、この酵素の活性が低いタイプでも個人差があり、毛細血管の拡張がおこらないケース、つまり『お酒が飲めないタイプでもパッチテストで赤くならない人』もいます。正確には遺伝子検査を受けるのが良いでしょう」


ケースによってさまざまな注意点も


また、パッチテストの結果によって、次のような注意点もあるという。
「パッチテストで肌の色に変化がない人は、アセトアルデヒドを分解する能力が強いので、飲めばいくらでも飲めてしまいます。そのため、このタイプは『自分は飲めるから大丈夫』と思いがちですが、逆にアルコール依存症になるリスクは高いんですよ」

パッチテストをはがした直後は反応があまりなく、10分後に赤くなるタイプの場合、アセトアルデヒドを分解する能力が弱いので、毒性の高いアルデヒドが長時間体内に留まる=二日酔いになりやすいといえるそう。

一方、アセトアルデヒドの毒性に対して「反応が鈍い人」もいて、この場合は赤くなっても飲み続けることがあるという。
「さらに、このタイプは、酒はそこそこ飲めるけど、強くはないので、飲み続けることによって酵素誘導でアルコールを分解する力が高まり、酒に強くなったと錯覚しがちです。そこから、食道がんなどの、がん発生のリスクが高まる可能性もあるので、要注意です」

また、パッチテストで最初からまっ赤になるケースは、「酒を飲めない体質」なので、勧められてもきっぱり断ることが大切だとか。

ちなみに、「アルコールパッチテストで赤く反応する人」と「お酒を飲むと顔が赤くなる人」は共通しているなのだろうか。
「顔が赤くなるのは、アセトアルデヒドが毛細血管を拡張させるためですが、この作用には個人差があるため、お酒に弱くても顔が赤くならない人もいます。しかし、少なくともお酒を飲んで顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドの分解能力が低いと考えたほうが良いので、適量を守ることが大切です」

お酒に弱いのに顔が赤くなりにくい場合は、「まだいけるだろう」と周囲から酒を無理強いされてしまいがち。自分のタイプを知っておくことが危険回避にもつながるという。

お酒との上手な付き合い方を知るためにも、自分がどのタイプかを知っておくのは大切なこと。今は安価で簡単にできるアルコールパッチテストがネットでも購入できるそうなので、一度試してみては?
(田幸和歌子)

ライター情報: 田幸和歌子

書籍出版社、広告制作会社を経てフリーに。月刊誌・週刊誌・夕刊紙などで執筆中。

「アルコールパッチテストって、どの程度正確なの?」のコメント一覧 1

  • 匿名さん 通報

    そう、飲めない人は先輩だろうが上司だろうが社長命令だろうが、きっぱり断ることが大事。酒も飲めないで情けないなどど言われてうっかり飲むと、ショック死するからね。

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