玉数でなく「メートル」で注文するうどん屋
(上)衝撃のおしながきはこんな感じ。(下)これが30メートルきつねうどんだ! 大きさを比較して頂くため、横に七味&割り箸をそえてみました。
大阪の狭山市というところに、なんと麺の長さ(メートル)で注文するうどん屋がある……という噂を聞きつけていってきました。「手打ちうどん てぼ」というお店で、なるほど看板には「元祖30メートルうどん」という太文字が。


入店すると「らっしゃい!何メートルしましょ?」という注文のとり方にまずビックリ!! おしながきを見てみると、長さの目安が5メートルおきに5段階に分けて書いてある。10メートル(1玉ちょっと)、15メートル(2玉少なめ)、20メートル(2玉多め)、25メートル(かる〜い3玉)、30メートル(かる〜い4玉)と、こんな感じ。しかも、30メートルまでは何メートルでも同じ値段らしい。
メートルと食べたいうどんの種類(きつね、カレー、ざる、えび天うどんなどいろいろある)が決まったら、有料のオプションとしてわかめや山菜、イカ天など好みの具を選んでトッピングすることもできる。例えばきつねうどん→540円を注文した場合、10メートルでも30メートルでも値段は同じ、というわけなのです。な〜んて太っ腹なんでしょう!

せっかくなので、ここは30メートルのきつねうどんを注文することに。

店主の長谷川さんによると、だいたい女性だと10メートルが普通で、15メートルだとちょっと食べきれない、という人が多いらしい。男性だと平均的には20メートルがよく出るが、10〜20代の若い人だと30メートルでもふつうにペロッと食べてしまうのだとか。大学や高校など学校が多い土地柄ということもあって、食べ盛りの大学生や部活帰りの男子高校生など、地元ではとっても愛されているお店のようだ。
女性でもたま〜に30メートルを注文するツワモノが出現するそうだが、器の大きさ、麺のボリューム共にド迫力!! 上にのっているお揚げも普通の3倍はあろうかという大きさで、出てきた時は「絶対に食べ切れない〜」と早くもあきらめモードに。しかしながら、いざ食べはじめると麺もつゆもすごーくおいしいので見た目に反して意外とツルツル入ってしまう。ものすごくお腹が空いている時だったら30メートル、なんとかイケそうな勢いです!? しかし、これで540円はどう考えても安いですよね〜。


長谷川さんは狭山市で21年前から最初はごく普通のうどん屋を営んでいたのだが、すこし辺鄙な場所だったこともあり「何か変わったことはできないだろうか?」ということで、15年前からこのメートル注文方式をはじめたのだそうだ。ちなみに発案者は、長谷川さんと以前から懇意にしていた大阪ではメジャーなお土産用たこ焼きメーカーの「たこ昌」の社長だというから驚きです!

北海道や広島など遠方からの来店客もあるというこの「手打ちうどん てぼ」、麺にうるさい“麺通”を自称するアナタ、そして30メートルうどんに是非とも挑戦してみたい! という大食いに自信アリの方はぜひ。
(野崎 泉)

『手打ちうどん てぼ』 大阪府狭山市茱萸木1-6-1 TEL.072-366-9393
(昼)11時〜3時 (夜)5時半〜12時 水曜休み