カゼは鼻から? のどから? どちらが多い?
のどの薬も鼻の薬も、実は大差なく、+αの工夫部分が腕のみせどころらしいです。
「あなたのカゼ、鼻から? のどから?」
カゼが流行る冬になると、こうしたカゼ薬のCMを見る機会が増える。でも、こう聞かれるたび、思うのは、「鼻からのカゼって、そんなにいるのか?」ということだ。

私の場合、カゼのルートはほぼ100%「のど→セキ→発熱→おなか(ときどき)→水っぽい鼻水→鼻づまり」と決まっており、鼻は必ずカゼのフィナーレ、最後っぺになる。
でも、ひとによっては、逆パターンだったり、さらにルートが決まってなかったりするのだろうか。また、鼻からのカゼとのどからのカゼ、どちらが多いのか。

冒頭のコピーのCMでおなじみ、症状別のカゼ薬「ベンザブロック」を出している武田薬品工業のHPを見ると、2004年3月に行った「カゼに関するアンケート」では、出やすい症状別に「鼻系」「のど系」「発熱系」の3つに分かれ、回答人数1037のうち有効とされた911人の内訳は、「鼻系」が233人、「のど系」が255人、「発熱系」が272人といちばん多い。あれ? のど系、負けてるじゃん!

武田薬品工業の広報担当者に聞いてみると、
「鼻から、のどからの原因の違いや、どれが多いのかという臨床データは、特にとっていません」
という。じゃ、なんで薬を分けてるの?
「本来、カゼ薬は、一般用薬品であれば、どの成分でどの効能かというのが、国で決められているんですよ。
基本的に、熱にものどにも鼻にも全部に効き目がないと、販売できない。ただし、いろいろな薬が並んでいると、買うときに迷ってしまうので、客側が選択しやすいようにメーカーが組み合わせを決めて特徴を打ち出しているだけなんです」

ベースはどれも「総合感冒薬」なので、すべての症状に効くというわけなのだが、他製品との差別化のために「+α」として、ビタミンを入れたり、いろいろな工夫をする。それが「鼻から」「のどから」などの打ち出し方の違いになるのだそうだ。
「この+αの部分が、メーカー側の創意工夫です。同じカレーであっても、リンゴを入れたり、蜂蜜を入れたりするでしょう?」

なかには、症状別の薬を全部買って、順に使い分けていく人もいるようだが、基本的には「鼻用だからのどや発熱に効かない」ということはないので、切り替える必要もないとか。
さて、あなたのカゼは鼻からですか? のどからですか?
(田幸和歌子)