空に見える雲は何km彼方の雲だろう?
空一面の雲を見ると、いろんな雲に目を奪われるもの。動きが早かったり、雨が降りそうだったり、ふわふわして軽そうだったり。
そんな雲だけど、空に見えている雲はいったいどの地点の上空なのだろうかと気になったことはないだろうか? 空として見えているのは要するに宇宙だから無限だけれど、丸い地球を取り巻いているように浮いている雲ならきっとどこか果てがあるはず! 空にある雲はどれくらい彼方の雲なのか?

そもそも浮いている雲の底はどのくらいの高さなのか? まずは気象庁天気相談所へ電話してみた。
「雲の種類や天気にもよりますが、例えば天気の悪い日の低い雲なら数百m上空が雲の底ということもあります。高層ビルの20〜30階より上が雲に隠れているということもよくありますよね」
なるほど、言われてみれば雲の底とは意外に低いもののような気がしてきた。
では本題の空の彼方の雲までの距離はどれくらいなのか。期待に胸躍らせ聞いてみると、
「うーん、それはちょっと把握していませんね。計算で求めることは可能でしょうけれど」
そうか、残念……。
計算法を少し尋ねてみたところ、地球の半径をもとにして計算すれば理論上の値は求まるらしい。

そこで、三平方の定理(ピタゴラスの定理)で計算できるそうなので、実際に計算機を使ってだいたいの値を求めてみた(計算式は割愛するが、(1)地球半径(2)雲までの距離(3)地球半径と雲の高さ、の3辺で直角三角形を作れば簡単な値が求められる)。
すると、雲の高さが低い場合である300mのときは、雲までの距離が約60kmとなり、見えている雲は、60km先まで見えていることになる。
また上層にある高い雲の場合、その高さを10kmとして計算すると約350kmとなる! 350kmといえば東京〜京都くらいの距離。地形の影響もあるので実際は見えないだろうが、理論上では東京上空の雲も京都で見えることになる。いまひとつ信じられないが……。


空に見えている雲、実はすごく遠い場所にある雲かもしれない。今度はそんなことを考えて空を眺めてはいかが?
(おむらいす)