“駅ナカ”の定義、本当に分かってますか?
駅ナカの定義、解釈によりいろいろっぽいみたいです。
駅の中だから“駅ナカ”。

一見、何の違和感もない言葉。
デパートの地下を“デパチカ”って呼ぶように、場所を分かりやすく表している。
でも、本当に“ナカ”の意味を理解しているだろうか? 駅のどこまでが“ナカ”と呼ぶことができるのだろうか?
改札の“ナカ”なのか、それとも駅の建物の“ナカ”なのか……。

そんな、どことなくあやふやな定義を、JR東日本に聞いた。
「JR東日本の場合は、改札内外関係なく“エキナカ”です。JR東日本が管轄する土地にあり、鉄道を使うお客様が利用しうる場所のことを“エキナカ”と呼んでいます。ちなみにJRではカタカナで“エキナカ”と表記させていただいています」
改札の外でも、駅ナカと呼べるらしい。
ただし……、
「別の鉄道会社さんではまた定義が違うかもしれません」

どうやら共通した定義のない、結構ふわっとした言葉のようだ。新しい言葉だからか、解釈は会社によって違うらしい。
東京メトロにも聞いてみた。
「東京メトロでは一般的に“駅ナカ”とされる場所を“メトロピア”と呼んでいるんですが、改札内も改札外も“メトロピア”としています。また、今後展開していく施設によって、“メトロピア”の定義も変わる可能性があります」
つまりJRも東京メトロも、“駅ナカ”と呼ばれる場所は、改札内だけではなく駅全体を広く指しているようだ。

駅ナカの歴史は浅い。

JR東日本では、2001年に「ステーションルネッサンス」という、「快適で人にやさしい駅」を目指した駅づくりを開始。コンセプトは「通過する駅から集う駅へ」。大宮駅、品川駅の商業空間「エキュート」をはじめ、次々と新たな商業スペースを作り出している。
一方、東京メトロでは、平成に入ったころから次第に店舗開発に力を入れ、03年には「EKIBENプロジェクト」という“駅”を“便”利にするプロジェクトを開始。土地利用の規制緩和とともに、「Echika表参道」をはじめとして店舗を増やし続けている。

そして今、鉄道各社が駅ナカ施設の充実を図り、急速に発展する様子は「駅ナカ戦争」とも言われている。
これからさらに駅ナカを充実させていくというから、駅ナカ戦争はさらに激しくなりそうだ。

ちなみに、先日も駅ナカを特集した情報誌「TOKYO1週間」では、
「“改札内”という狭義の意味で、“駅ナカ”という言葉を使わせていただいております」
とのこと。

駅ナカ戦争、国境は曖昧だ。
(イチカワ)