コンビニ店内で焼いたばかりのパンが食べられる、デイリーヤマザキの「デイリーホット」。その店頭にある「のぼり」に、先日、大きく書かれたこんな文字を見た。


「7代目メロンパン誕生」

7代目って!? どういうこと?
食べてみた「7代目」は、外側はさっくり、中はふわふわで、バター風味が良い仕事をしている。

それにしても、いったいいつから始まって、「7代目」に至るのか。デイリーヤマザキ・広報担当者に聞いた。

「メロンパンは、平成12年12月のデイリーホットスタート当初からの定番商品で、2代目(平成17年11月)からは、毎年11月にリニューアルを実施しています」

「7代目」の発売は、平成22年11月から。7代目は、「外側のビス生地は、生クリームを練り込んだコクのある味わいとザクザクした食感。中生地は、フワフワの食感でバター風味を効かせている」というのが特徴らしい。


それにしても、なぜメロンパンだけ「7代目」まで変わり続けているのだろうか。
「メロンパンのみ変わり続けているわけではなく、他のパンもリニューアルを実施しています。ただし、『○代目』と付けているのは、メロンパンのみです。デイリーホットの看板商品として育てたいという願いと、リニューアルがお客様に訴えやすいことから、このネーミングを採用しました。お客様にご満足いただける100点満点のメロンパンを目指し、毎年お客様の嗜好を考慮して、その年のベストの商品になるようリニューアルしています」

ちなみに、7代目に至るまでのメロンパンたちは、どのような変遷を遂げているのか。特徴を以下に教えてもらった。


 1)初代メロンパン(105円)/H.12年12月~H.17年10月/メロンフレーバーを効かせた昔ながらの味わいのメロンパン。表面は、自然な網目模様。
 2)2代目メロンパン(105円)/H.17年11月~H.18年10月/初代の味わいを残しつつ、ビス生地にバターを加えて風味をアップ。表面は、大きな網目模様。
 3)3代目メロンパン(120円)/H.18年11月~H.19年10月/ビス生地に発酵バターを使用。中生地は、キメが細かく口溶けのよい食感に変更。
表面はストライプ模様。
 4)4代目メロンパン(120円)/H.19年11月~H.20年10月/全体的な味わいは、メロンフレーバー系。表面は網目模様。
 5)5代目メロンパン(120円)/H.20年11月~H.21年10月/ビス生地は、バターフレーバーの中にメロンフレーバーをほんのり効かせている。中生地は、4代目よりもさらにフワフワした食感に。表面は自然な仕上がりになった。

 6)6代目メロンパン(120円)/H.21年11月~H.22年10月/ビス生地はメロンフレーバーを効かせた。中生地は、バター中心の味わい。表面はツルッとした仕上がり。

説明だけを追うと「表面の模様」「メロンフレーバー」「バター風味」などなど、あまり変化はないように見えてしまうが、その実、メロンパンの好みはかなり分かれるところで、同シリーズにおいても「6代目最強説」や「7代目最強説」などいろいろな声があるようだ。

パン界においては、比較的安価でボリューム・食べ応えがあり、なおかつ「当たり外れ」が少ないメロンパン。
どれを食べてもそこそこ美味しい「メロンパン」という安住のフィールドで、「焼きたて」というアドバンテージを獲得しつつも、なお「7代目」に至るまでリニューアルを繰り返し続けている○代目メロンパンシリーズ。
その姿勢にまず拍手を贈りたい。
(田幸和歌子)