よく「好きなおにぎりの具」アンケートなどで、「鮭」や「ツナマヨ」上位という結果を見かける。
でも、本当に、そうなのだろうか。


というのも、ある夜、小腹が空いて「コンビニでおにぎりでも……」と思い、梅おにぎりを探したところ、棚にあったのは、ツナマヨや焼き肉など、こってり系だけ。
そこで、何店舗かまわってみたが、どこもツナマヨや肉系などばかりが残っていた。以来、夕方以降のスーパーやコンビニでチェックしてみると、やっぱり梅や昆布は売り切れていて、ツナマヨなどが残っているように見える。
もちろんツナマヨなどは若い人を中心に人気があるだろうけど、おにぎりは2個くらい買う人が多いだろうから、案外いちばん売れるのは、それぞれの「本命」にプラスする「あっさり系(梅や昆布、カツオ)」のほうだったりしない?

昨年15億個のおにぎりを売り上げたというセブンイレブンに聞くと、
「エリアによっても、店によっても、時期によっても中味がどんどん変わりますし、内訳データは出しておりません」とのこと。
続いて、ファミリーマートに聞いたところ、
「1位は鮭」という返答だった。

では、ローソンは? 
広報担当者が教えてくれたのは、以下の結果だ。


1位 シーチキンマヨネーズ
2位 焼さけハラミ
3位 日高昆布
4位 胡麻さけ
5位 紀州南高梅
6位 熟成生たらこ
7位 紅さけ
8位 塩にぎり
9位 わかめごはん
10位 辛子明太子
(2011年3月~8月分)

1位のシーチキンマヨネーズの個数は、なんと2位の2倍という、ぶっちぎり人気!
「年代別にみても、10代未満から10代、20代、30代、40代までのすべてで、男女ともに1位がシーチキンマヨネーズで、不動の1位なんです」
なんという強さ……。同様にやはり人気が高い「さけ」は、種類が3種類もあるだけに、さけの中で好みが分かれるのかも。その一方で、最もシンプルな「塩にぎり」が8位にランクインしているのも、面白い傾向だ。
「店舗ごとで、街のお客様に求められる商品をたくさん発注していますので、シーチキンマヨネーズはどのお店にも確実に置いています。多くのお客様に人気が高い具材のため、種類が少なくなった時でも必ず置いておけるようにしています」

ちなみに、50代総合では「1位 日高昆布、2位 焼さけハラミ、3位 シーチキンマヨネーズ」となり、60代になると、シーチキンマヨネーズが5位に落ちて、かわりに梅が上位に入ってくる。また、40代女性では、梅が上位に入るそうだ。

「シニア層と女性の嗜好が似ているという特徴があるという傾向が以前から見られたのですが、おにぎりの具に関しても興味深い結果となっています」
「梅がいつも売り切れ」と思うのは、その街に合わせた数を仕入れているため、比較的若者の多い首都圏の店舗では仕入れ個数が少ないらしい……。加えていえば「本命=シーチキン」にプラスする「あっさり系」は好みが分かれるため、分散するということだろうか……。

ところで、ローソンは現在、おにぎりのお米に「国産コシヒカリ」(白飯もの)を使用している。さらにワンランク上の新コシシリーズでは、「新潟産コシヒカリ」を使用しているほか、海苔、塩などにもこだわっている。
そんななか、2009年までは単価の安いおにぎりが売れていたが、2010年から「やや高級なもの」が売れるようになり、おにぎり全体の売り上げもかなり伸びているそうだ。なかでも、原材料にこだわった「贅沢シリーズ」はかなり評判が良いという。


具のこだわりもそれぞれあり、様々なバリエーションがあるなかで、それでも不動の1位であり続ける「シーチキンマヨネーズ」の強さ。おそれいりました……。
(田幸和歌子)