中国高速鉄道、急速な発展に大ブレーキ 資金繰り悪化で建設鈍化か

2011年10月3日 08時07分 (2011年10月5日 00時12分 更新)

中国鉄道部が発行する予定の債券発行が9月28日、再び延期された。債券規模は200億元(約2400億円)だったが、今回の延期で鉄道部の資金繰りはいっそう厳しくなり、高速鉄道建設の「大躍進」にも影響が出ることは確実だ。2日付で南方日報が報じた。(写真はイメージ)(サーチナ&CNSPHOTO)

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 中国鉄道部が発行する予定の債券発行が9月28日、再び延期された。債券規模は200億元(約2400億円)だったが、今回の延期で鉄道部の資金繰りはいっそう厳しくなり、高速鉄道建設の「大躍進」にも影響が出ることは確実だ。2日付で南方日報が報じた。

 鉄道部は資金獲得のため、2010年12月には超短期債券の発行機関の1つとなったが、鉄道部の高止まりする債務が融資コスト高を招いている。10年8月に発行した債券の利回りが2.56%だったのに対して、11年3月期の債券の利回りは5.55%に上昇している。

 市場関係者は、金融引き締めによる利回りの上昇は別に扱うものとしながらも、鉄道部の厳しい財務状況と、不明確な利益予想は、投資家を信用させるのを難しくしていると述べる。中国の主要銀行も鉄道プロジェクトに対する貸し付けを厳しく制限しており、2兆元(約24兆円)もの借金を抱える鉄道部に対する投資に投資者が慎重になるのも理解できる。

 こうした資金不足は、鉄道建設全体の減速という状況を招いており、11年7月までで国が許可した鉄道プロジェクトは、海南西環鉄道の1つだけだ。鉄道インフラの重要プロジェクトといわれるアモイ-深セン間の高速鉄道建設も、銀行融資が滞ったために、ある区間では工事の遅れが出ている。

 北京交通大学土木建築工程学院の王教授は、「7月23日に発生した高速鉄道の追突事故以降、時速200キロ前後の都市間鉄道の建設を大幅に鈍化させたのは、1つは安全面を考えてであるが、もう1つは資金面を考慮してのことだ。珠江デルタや長江デルタ地域は引き続き継続できるが、そのほかの地域で大挙して行われた建設のペースは恐らく止まってしまうだろう」と語った。(編集担当:及川源十郎

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