人民元法案で中国が米に報復? 切り上げ速度を緩める可能性

2011年10月13日 13時18分 (2011年10月16日 00時12分 更新)
 米議会上院が11日、人民元問題で中国を制裁する法案を可決したことを受け、中国政府が強硬な反対を示しており、中国メディアでもこの話題を大きく取り上げている。その中で、BNPパリバの専門家は、「中国は米国に非常に大きな不満を示しており、法案の進展次第では、人民元の切り上げを(人為的に)緩める可能性がある」と中国による報復の可能性を指摘している。

 ただし、法案は今のところ、下院での採択は難しいのではないか、という見方が強い。

 中国報道によれば、ある専門家の見解を抽出した調査結果として、2012年9月末までに対米ドルレートは、現状と比べて4%上昇の6.11元程度の水準となる見通しが優勢だという。

 法案を前後して、どちらにしろ、人民元がこのまま切り上がっていくだろうという見通しを示す専門家や機関は徐々に少なくなっていた。人民元の対米ドルレートはこの1年、7%近く上昇し、実質的な人民元高は進行していたが、中国国内のインフレ対策、経済構造調整はありつつも、中国の貿易黒字が減少傾向にあることなど、切り上げ速度にブレーキがかかる要因もあるという。

 しかし、中国国内からも、むしろ弾力性を増した、変動幅の大きい為替制度への移行を求める声も上がっている。中国農業銀行の専門家は、「人民元の為替レートは国際的な政治的圧力に直面しており、弾力性の欠いた制度は為替政策の独立性を損ない、中国のマクロ経済構造調整にも影響を与える」とし、「人民元の対米ドルレートの弾力性を拡大し、一方的な人民元切り上げ情緒を打破すべき」としている。(編集担当:鈴木義純)

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