【中証視点】中国成長率さらに減速か、流動性をわずかに調整も

2011年10月18日 11時02分

国家統計局は18日、9月と第3四半期の主要経済統計を発表する。海外経済の回復の遅れや国内の緊縮策の影響で第3四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比9.2%の成長率となって、第2四半期より減速し、3四半期連続で成長率が鈍化するという見方がアナリストの間である。だが通年では9%以上の成長率を維持する見通しだ。(サーチナ&CNSPHOTO)

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 <中国証券報>国家統計局は18日、9月と第3四半期の主要経済統計を発表する。海外経済の回復の遅れや国内の緊縮策の影響で第3四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比9.2%の成長率となって、第2四半期より減速し、3四半期連続で成長率が鈍化するという見方がアナリストの間である。だが通年では9%以上の成長率を維持する見通しだ。

◆景気成長は小幅に鈍化

 国家統計局は14日に第3四半期の消費者物価指数(CPI)を発表した。18日にはGDP,工業生産、固定資産投資、消費品小売総額などを発表する。第3四半期のGDP成長率について、国家情報センター予測部は中国証券報を通じて発表したリポートで、「足元の経済は安定した減速すう勢を保持している」とした上で、第3四半期の成長率を約9.2%と予想。世界経済が二番底に陥らない限り、中国経済の減速が「ハードランディング」する可能性は極めて少ないとの見方を示した。

 ゴールドマンサックスの宋宇エコノミストは、中国の第3四半期の成長率が第2四半期の9.5%から9.1%に減速するとみる。「9月のCPIからみて、中国のインフレレベルは下がる可能性があるが、経済成長、とくに外需に下振れリスクがあり、政府が経済政策のスタンスを調整し始める可能性がある」と予想した。

 中国のGDP成長率は昨年第4四半期の9.8%に加速して以降、今年に入ってからの2四半期はそれぞれ9.7%、9.5%と小幅に下落した。この傾向は下半期に入っても続いている。UBS証券はこのほど発表したリポートで、第3四半期の中国のGDP成長率を9%と予想。「輸出の伸びや、インフラ投資、住宅新規着工の減速を受け、中国の経済成長エンジンにある程度の疲労シグナルが表れている」と報告した。

 その他の経済データについてアナリストは、9月の鉱工業生産額は前年同期比増加率が13%と、8月より低下すると予想。第二次産業はGDP比率が高いため、GDPと同様の動きになるとみている。固定資産投資と社会消費品小売総額の増加率については、明らかに減速する可能性は大きくないとの見方だ。

◆政策の微調整は局部的か

 中国のCPI上昇率は2カ月連続で低下し、一部の経済指標も伸びが減速した。今後の政策見通しについて、中金公司の彭文生首席アナリストは、米国の雇用統計、製造業の成長、小売売上高、自動車消費などの指標がいずれも市場予想を超えたことが、海外経済のリセッションに対する懸念をある程度緩和させたとして、「中国のマクロ政策は観察期にあり、総量規制を一段と厳しくする必要性は低い。融資の一層の縮小を避けるため、年内に流動性を微調整する可能性は高いが、穏健な金融政策基調が変更されるという意味は持たない」と分析した。

 申銀万国の李慧勇首席マクロアナリストは、「現在の中国経済を下に押し下げようとする主な力は外需と不動産の分野に表れている。真に速い減速が表れれば、政府は再び景気を安定成長させるための策を講じるだろう」とし、「経済が転換する段階では相対的に緊縮した政策基調を維持する必要がある。年内の経済政策は穏健を主とし、全体的に緩和される可能性は大きくない」との見方を示した。(編集担当:浅野和孝

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