中国民間金融の危機が拡大する恐れなし、銀行の引き当ても十分

2011年10月25日 08時01分
 <中国証券報>中国人民銀行(中央銀行)の前副総裁である呉暁霊氏と、中国小額信用貸出連盟の杜暁山理事長はこのほど中国証券報の取材に対し、民間金融業に潜むリスクは総体的にコントロール可能との見方をそろって示した。24日付中国証券報が伝えた。

 中国では最近、浙江省温州市の民間企業の経営者が民間金融業者から高金利で借りた資金を返済できずに逃亡するケースが相次ぎ、この事態が内モンゴル・オルドスなどの他の地域に広がりつつあると伝えられている。

 これについて呉氏は、「デフォルト(債務不履行)の規模とリスクはコントール可能」と指摘。杜理事長も、「温州の民間金融業の問題は中央政府、地方政府ともに重視し、その対応策が相次ぎ発表されている。民間金融業の債務危機がまん延、または悪化する可能性はない」との見方を示し、「実体経済、特に零細企業は融資を必要としており、民間金融業のマイナスの側面を制御し、長所を生かすべきだ」と述べた。

 また、民間金融市場のリスクが、中国の銀行業や金融システム全体に与える影響について呉氏は、「商業銀行の貸倒引当率は高水準にあり、大きく影響を受けることはない」と回答。「温州の問題は中国の金融改革が着実に実行されていないことの表れであり、今後は、大手行が国際業務競争に、中小金融機関がコミュニティサービスにそれぞれ注力するといったように、融資市場の役割分担を細分化すべきだ」と示した。

 両氏はこのほか、中小企業や零細企業の資金繰り難を解決するために、民間金融業の資金の流れを投機ではなく実体経済に向ける必要性を訴えた。(編集担当:浅野和孝

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