中国の鉄道建設が基本的にすべて中断…資金繰り極端に悪化

2011年10月31日 13時24分 (2011年11月7日 00時12分 更新)
 中国の鉄道建設分野の最大手、トンネル工事を手がける中鉄隧道集団の王夢恕副総工程師はこのほど、中国における鉄道建設工事は「基本的にすべて中断している」と述べた。政府・鉄道部の資金繰りの極端な悪化が原因という。京華時報が報じた。

 王副総工程師によると、鉄道建設工事は少なく見ても90%以上が止まっており、「基本的にはすべて中断している」状態だ。工事が中断している路線の距離は1万キロメートル以上で、うちトンネル部分は約5400キロメートルだ。

 7月23日に発生した高速鉄道の大事故が、鉄道建設の中止や遅延の要因になったとの見方もあるが、王副総工程師によれば主な原因は技術面ではなく資金問題だ。政府・鉄道部の鉄道分野の二大施工会社である中国鉄路工程総公司と中国鉄道建築総公司に対する未払い分は1300億元(約1兆6244億円)に達し、会社側は工事を進められない状態になった。

 鉄道部の資金不足が注目されるようになったのは、トップの劉志軍部長が規則違反などを理由に解任された2011年2月末前後とされる。同部が8月に発表した2011年上半期(1-6月)財務報告によると、負債額は2兆900億元以上で、負債率は58.53%だった。

 鉄道部は2009年通年で負債の元利合計で732億6000万元(約9154億円)返済したが、2010年の返済額は2倍以上の1501億元(約1兆8755億円)に達した。2011年以降も2、3年は、返済負担が増えることはあっても減ることはないとされる。

 鉄道部は、鉄道建設工事の相次ぐ中断に対処しようと、10月12日とわずか14日後の同月26日に、それぞれ鉄道建設債券200億元(約2499億円)分、計400億元分を発行した。2011年内には累計で1800億元(約2兆2491億円)分の各種債券を発行する方針だ。

 資金状況の悪化による混乱も見られる。鉄道部は2010年11月、吉林省の吉林・図們・琿春を結ぶ吉図琿鉄道を1年内に完成させると決め、関係部署に対応を命じた。施工会社は2011年2月3日の春節(旧正月)連休が終わった後、1万人以上の作業員を動員して建設作業の開始に備えた。資金3500万元を投じたという。しかし4月になり、鉄道部は工期を4年間に延ばすと通達。

 多くの作業員が解雇され、施工会社も撤退を始めた。しかし1、2カ月たってから、工期を1年半に短縮するとの通達があったため、施工会社は改めて作業員を集めた。ところが最近になり、資金不足のため工事は停止するとの通達があったという。

 王副総工程師によると、現場作業員の賃金支払いは3-6カ月止まっている。作業員の多くは、現金収入を求めて故郷を離れた農民、いわゆる農民工だ。鉄道建設工事の中断と混乱は、社会不安を増大しかねない大問題になりつつある。(編集担当:中山基夫

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