中小企業の資金調達がますます困難…需給バランスに問題=中国

2011年11月2日 09時38分
 中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院で中小企業研究センター主任を務める羅仲偉氏はこのほど、中小企業の資金調達がますます困難になっているとの見方を示し、問題は◆企業側の資金調達パイプの細さ◆金融機関側の体制問題◆中小企業側の管理力不足――の3点に要約できると述べた。中国新聞社などが報じた。

 中国の中小企業は2008年に始まった世界的な金融危機で大きな打撃を受けた。影響は長引き、中国政府は2010年になり中小企業の資金調達を円滑にするため、民間資本による金融業務への投資を緩和する「非公経済36条」を採用した。しかし中小企業の資金調達はますます困難になっている。

 羅主任は、問題の背景には政府の金融引き締めと同時に、中小企業側の資金需要が増大していると分析。中国の経済周期からみて、中小企業にとって、投資を拡大せねばならない時期に来ているとの見方を示した。そのため、資金調達の難しさは、一層大きな問題になっているという。

 羅主任によると、「企業側の資金調達パイプの細さ」については、中小企業の多くが、労働集約型の産業に従事している点を挙げた。低コストこそが中小企業の持ち味であることから、利払いが必要な金融機関からの融資を避ける状態が続いてきた。

 調査によると、中小企業企業の資金調達で最も多いのは親族や友人からの借金で、銀行からの融資はその次だった。個人的な借金は行政などの監督も受けないので、さまざまなリスクが高まる問題がある。

 資金調達を親族や友人からの借金に頼る傾向は、特に浙江省の中小企業に顕著という。

 「金融機関側の体制問題」もある。中国の金融機関には中小企業を相手に融資を行う仕組みが整っていない。そのため、金融機関側は中小企業を対象にした新しい金融サービスを構築する必要がある。そのためには、分野別や個別会社別の中小企業に対する実態研究が不可欠という。

 中国では金融機関が融資をする際に、担保物件の評価費用などさまざまな手数料を徴収する。羅主任は、信用度の高い企業向けに、各種手数料などを引き下げた金融商品を作るべきと主張した。

 中小企業側には別の問題もある。まず「自らの信用を高める」意識が必要だ。そのためには経営管理の水準を向上し、経営戦略、財務、企業運営、生産物の質の向上、リスク管理などを改善せねばならない。

 羅主任は、これまで金融機関に頼ることが少なかった中小企業が、金融機関からの融資を受けて事業拡大と生き残りを図るためには、金融機関との「協力能力」を引き上げねばならないと主張した。(編集担当:中山基夫

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