上海住宅値引き制限は、中国首相発言と矛盾「真っ向から対立?」

2011年11月11日 09時54分
 上海市不動産管理局は、住宅価格を20%以上引き下げる場合、再申請し、登記する必要があるとの見解を示し、「中国で初めての住宅価格値引き制限令」として注目を浴びている。これには、拡大する住宅の値引き販売に対して歯止めをかけたいという上海市政府の思惑がある。一方で、中国の温家宝首相は先日、「住宅価格の引き下げは確固不動の国策であり、引き締めは決してゆるがせにしない」との談話を発表しており、今回の市政府の対策は首相発言と真っ向から対立するものとして、中国現地でも話題になっている。

 上海市の今回の取り組みは、市場や消費者に対して、市政府が住宅価格下落を望んでいないことのシグナルとも言える。市政府としては、不動産に対する極度な引き締めは本意ではなく、住宅価格の反発さえも期待している、という態度にも見える。

 中国経済網では、「上海市の取り組みは、温首相の指示に完全に符合しないものであることは明らか。現時点では今後の動向を見守るしかない」として、中央政府による上海市に対する“指導”や“調整”が入る可能性も示唆した。

 「市場や消費者は、(首相発言を通じて、)住宅価格は今後下がる一方だ、とのコンセンサスができつつあったが、市政府による今回の発表は、そうしたコンセンサスを打ち破り、中国政府が進めようとしている不動産引き締めに対する信頼を覆すものにもなりえる」(同上)と、ある意味では市政府の中央政府に対する“反逆“ともとらえられる論調を展開している。

 ただし、「温首相の発言はもっと先を見据えた中長期ビジョンの意味合いが強く、首相発言の中に、現在進行形の中高級物件の値下げの嵐を意識した点は見られず、あくまでも一般国民による住宅購入ニーズを満たすことを主眼においていることが分かる。一方で、今回の上海市の制限令は、中高級物件で極端に走りがちの値下げに対して、現行法規を活用して歯止めをかけようとするものであり、短期的な取り組みの一つ」(現地業界関係者)として、両者は必ずしも矛盾しないとの見方もある。(編集担当:鈴木義純)

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