THAAD配備の是非、韓国次期大統領選の対立軸に、米国との“距離”や中国への向き合い方に関心

2017年3月19日 14時50分 (2017年3月22日 07時59分 更新)

在韓米軍へのTHAAD配備問題が、韓国の次期大統領選の有力候補者間で対立軸になりつつある。米国との“距離”やTHAAD配備に反発する中国とどう向き合うかに関心が集まっている。資料写真。(Record China)

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2017年3月18日、在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の是非が、韓国の次期大統領選の有力候補者間で対立軸になりつつある。慰安婦問題をめぐる日韓合意については、各候補とも「見直し」でほぼ一致。争点から外れた。米国との“距離”やTHAAD配備に反発する中国とどう向き合うかに関心が集まっている。

韓国メディアによると、最大野党の「共に民主党」は14日、候補者4人によるテレビ討論会を開催。支持率争いでトップを走る文在寅・前代表はTHAAD配備をめぐり、中国が報復措置をエスカレートさせていることについて、「前政権の失政だ」として配備を批判した。これに対し、支持率2位の安熙正・忠清南道知事は配備に一定の理解を示した上、中国の報復措置で被害を受けている企業などへの支援に力を入れるべきだ、と主張した。

討論会で文氏は政権を取った場合の国政運営について、「平和的な『広場の力』が統合の力だ。われわれが国民の支持を得れば、保守系の政党は抵抗できない」と指摘。大規模集会で朴槿恵大統領を罷免に追い込んだように世論を味方につけ、革新系政党だけで重要政策を推し進めたい、という考えを示した。

対照的に安氏は「大統領の最も重要な役割は、国家や国民を統合するリーダーシップだ」と述べ、保守系の政党とも一定の連携をし、世論の分裂を和らげる必要があると強調。THAAD配備で文氏との違いを浮き彫りにして支持を拡大したいとの思惑ものぞかせた。

これに先立ち、文氏は12日の記者会見で「中国が懸念し、反対意見を出すことは十分理解できるが、THAAD配備は韓国の安保に関する問題であり、韓国の主権事項」として、「中国が反対意見を表明することを超えて、反対意見を貫くために過度な圧迫を加えるのは正しくない」とも批判。その一方で、THAAD配備に関しては「次の政権に引き渡すべきだと何度も述べたし、賛否のどちらも予断していない」とし、「安保も守り国益も守ることができる自信がある腹案も持っている」と語った。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、文氏は同紙とのインタビューで米国との関係に触れ、「韓国は米国に対して『ノー』と言うことも学ばねばならない」と発言した。これについて保守系の朝鮮日報は「文氏の主張だけを聞けば、これまで韓国政府は米国に『イエス』としか言えなかったかのようにも解釈できる。韓国政府はこれまでそんなことは一度もなかった」と非難。「国民の多くは文氏が米国に『ノー』と言うべきでないことに『ノー』と言い、北朝鮮と中国には逆に『ノー』と言うべきことに『ノー』と言えないのではないかと今から心配している」と付け加えた。

一方、米軍は今月6日、THAAD発射台2基と一部の装備を韓国に搬入。兵力や残りの装備も順次到着する予定だ。聯合ニュースは「早ければ4月から作戦運用が可能との観測が出ている」と報道。5月9日の大統領選を見据え、配備の既成事実づくりを急いでいるともみられる。(編集/日向)

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