自転車、車、民宿など遊休資源を有効活用=シェアリングエコノミーが急成長―中国

2017年3月23日 15時50分 (2017年3月26日 00時00分 更新)

自転車を共有する、自動車を共有する、民宿を共有する。このようなシェアリングエコノミーが突如「大ブレーク」した。(Record China)

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自転車を共有する、自動車を共有する、民宿を共有する。このようなシェアリングエコノミーが突如「大ブレーク」した。人民網が伝えた。

シェアリングエコノミーとは、社会に大量に存在する遊休資源をプラットフォームに集積して、需要と供給の橋渡しをし、資源の経済的価値と社会的価値を刷新することを指す。中国は現在、シェアリングエコノミーのトップチームに入っており、関連機関の報告では、昨年の市場取引額は3兆元(1元は約16.3円)を超えたという。政府活動報告では、「シェアリングエコノミーの発展を支持する」ことが2年続けて明確に打ち出された。シェアリングエコノミーはこれから社会サービス産業の最も重要なパワーになっていくとみられる。目下一番人気のある自転車のシェアだけでなく、シェアリングエコノミーは部屋のシェア、車のシェア、知識のシェアなどさまざまな分野で遊休資源の活用を進めている。新しく生まれた現象として、シェアリングエコノミーは既存の秩序や固定的な局面に挑戦している。

▽古い生産能力を活性化し、新しい原動力の誕生を促す

シェア自転車の急速な発展に後押しされて、「斜陽産業」だった自転車産業が「2回目の春」を迎えた。

昨年12月から今年3月にかけて、自転車メーカーの飛鴿が自転車シェアプラットフォームのofoに納入した自転車は80万台に達し、同社の年間生産量の3分の1を占めた。ofo関連部門の責任者は、「飛鴿をはじめとする伝統的自動車メーカーとの協力を通じて、新しい原動力によって古い生産能力を活性化し、供給側構造改革を加速させる」と述べた。

同じく自転車シェアプラットフォームの摩拜単車とofoがさきに発表したデータによると、摩拜の供給チェーンは天津愛瑪科技、富士康、自社製造工場をカバーし、2017年の生産量は1560万台に上る見込みだ。ofoは主に天津富士達自行車、飛鴿、上海鳳凰自行車のサプライヤー3社をカバーし、17年の生産量は1780万台に上る見込み。この両プラットフォームだけで今年は3000万台以上の自転車を生産するということになる。

▽さまざまな分野で遊休資源を活用

今最も人気のあるシェア自転車だけでなく、シェアリングエコノミーでは部屋のシェア、車のシェア、知識のシェアなどさまざまな分野で遊休資源を活用する。

現在、マンションを長期間賃貸して部屋をシェアするのが大・中都市の若者に人気のスタイルだ。コンサルティング大手の米マッキンゼー・アンド・カンパニーが発表した「中国シェアリングエコノミー消費者調査研究」によると、現在、中国のインターネット上の短期賃貸契約によって毎年活用される個人所有の遊休不動産資源は約120万平方メートルに上り、増加率は20%を超えるという。

不動産資源シェアプラットフォームの開祖Airbnbは、15年末現在、世界に1億2000万戸の不動産資源を持つ。同サイトが市場を掘り起こし、中国では途家、小猪短租、YOU+などのプラットフォームが雨後の竹の子のように次々誕生した。途家の共同創業者で最高経営責任者(CEO)の羅軍さんは、「シェアリングエコノミーは需給両サイドの橋渡しの問題を解決し、大量の遊休不動産を活用し、不動産市場の在庫削減の革新的モデルになった」と話す。

知識のシェアも16年に大流行した。昨年5月にはQ&Aスタイルの知識共有アプリケーション・分答がオンラインで開設されてからわずか24日間でAラウンドでの資金調達を達成し、同様のアプリ・知乎も「知乎live」機能を打ち出した。中国がシェアリングエコノミーの黄金時代に足を踏み入れたことには疑問の余地がない。同報告によれば、16年の中国シェアリングエコノミー市場の取引額は約3兆4520億元で前年比103%増加し、関わった人の数は6億人を超え、関連のプラットフォームに就職した人は約585万人に達したという。

これまでに述べたような人気分野のほかにも、シェアリングエコノミーでは金融、家事、教育、物流などの産業も頭角を現している。資産運用の陸金所や人人貸、食事サービスの阿姨厨房、教育サービスの老師幇、生活サービスの京東到家などは、いずれもよく耳にするO2O(オンラインツーオフライン)ブランドだ。またシェアリングエコノミーはアパレル分野にも進出し、租衣日記、魔法衣[木厨]、無●(りっしんべんに尤)美衣などの衣類レンタルプラットフォームが勢いよく誕生し、中国の細分化されたファッション市場に狙いを定めている。

中国インターネット協会シェアリングエコノミー業務委員会が3月に発表した中国初のシェアリングエコノミー発展報告によると、15年の市場規模は約1兆9560億元で、今後5年間の年平均増加率は40%前後になる見込みだ。これと同時に、シェアリングエコノミーはあらゆる分野、あらゆる産業へと拡張することが予想されるという。

絲路智谷研究院の梁海明院長は、「シェアリングエコノミー流行の核心は、『物はその用途を全うし、人はその才能を全うする』というところにある。未来にはあらゆる資源がこれまでのような仲介機関・サービスに対する依存から脱却し、最良の配置が追求されてコストが下がり、シェアリングエコノミーが新しい経済の原動力を生み出すものと期待される」と話す。

▽シェアリングエコノミーのメリット・デメリット、既存産業の秩序には打撃、監督管理法規がまだ不明瞭

新しい経済スタイルは必ずといっていいほど新しい問題を引き起こす。シェアリングエコノミーは資本の後押しを受けて高らかに快進撃を続け、昨年だけで同産業に集まった資金は1700億元を超えたが、それにつれて問題も表面化してきた。

消費者網の苦情報告プラットフォームがまとめた最新の統計によると、16年にはネットの自動車予約産業が苦情の集中する新たなホットポイントになった。苦情が最も多かったのは、費用の支払いに関する問題で、価格設定メカニズムが不透明、ピーク時期にはみだりに値上げが行われるなどのトラブルが頻出したという。

最先端のシェア自転車も同じように問題が絶えない。各大手プラットフォームでは保証金が返金されて口座に振り込まれるまでが遅いとか、資金の不足によって監督管理に問題が生じているとかいったトラブルが次々に発生した。

シェア自転車はメーカーにとっては朗報だが、小売店には打撃だ。広州市の自転車チェーンの責任者は、「シェア自転車の影響で、自分の経営する店が2カ所閉店に追い込まれた。私のみたところ、広州の大部分の自転車小売店は売り上げが軒並み減少している。特にロークラスの自転車の販売が大きく減少した」と話す。

無秩序な駐停車やレンタル自転車を痛めるといったマナー違反行為もしばしば見受けられる。

専門家は、「シェア自転車の利用の仕方が不適切だとすれば、それはユーザーと企業に等しく責任があるが、中国の都市計画建設の不備もまた一つの重要な原因だ」と指摘する。華南都市研究会の孫不熟副会長も、「中国のほとんどの都市計画には系統性をめぐる問題が存在し、都市計画全体の理念では自動車両の利用ニーズが中心に置かれ、自転車のことは考慮されていない。特に大都市の中心業務地区(CBD)では、自転車専用道路はほぼ皆無といえる状況だ」と指摘する。

▽シェアリングエコノミーは「シェアの精神」を呼びかけ、政府・企業・ユーザーが力を合わせることが必要

梁院長は、「シェアリングエコノミーが、『一管就死、一放就乱』(管理が行き過ぎれば活力が失われるが、放任すれば混乱状態に陥る)といった苦境に陥るのを警戒しなければならない」と注意を促す。

ネット予約車の場合、16年以降に政府当局が監督管理を強化してきいる。交通運輸部(省)は複数部門と共同で「ネット予約タクシーの経営サービス管理暫定規定」を発表し、ネット予約車をタクシー産業の体系に組み込み、ネット予約車のプラットフォーム、運転手、車両に対し参入制限を設けると同時に、地方政府に権限を移譲した。

シェア自転車の無秩序な駐停車が引き起こした都市管理の問題について、広州市社会科学院の彭澎研究員は、「法律法規と関連の政策はいつも新興の事や物に遅れて登場する。まず一連の地方レベルの法規を打ち出すことを提案する」と話す。

政府関連当局など多方面が努力を重ねるほか、シェア自転車プラットフォームの多くも次々に措置を打ち出す。摩拜は信用スコアや実名制などの方法を通じて正しいシェアリングを奨励し、迷惑行為を抑えている。ofoはアント・フィナンシャル傘下の芝麻信用と戦略的提携を結び、条件を満たした人には保証金無しで自転車を貸し出す。小鳴単車の陳宇瑩CEOは、「プラットフォームを運営する企業は駐停車についての取り組みをしっかり行う責任があり、政府に責任を押しつけてはならない」との見方を示す。

シェアリングエコノミーの発展はシェアリングの精神による支えと切り離せない。現代の社会では、どのような出来事も観念、行為、制度、技術などさまざまな要因がともに作用しあった結果としてそこに存在する。一つの考え方を現実のものにしようとするなら、技術に頼るだけではうまくいかない。「素晴らしいアイディア」を真に輝かせ、持続可能なものにするには、観念や思考といった精神的要素による支えが必要だ。シェアリングエコノミーにシェアリング精神の支えがなければ、歩き出すことは難しく、歩き出したとしても遠くまで行くことはできず、早々に倒れ伏すことになる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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