アリババの無人小売店「淘コーヒー」が今月登場、その仕組みを解説―中国

2017年7月4日 19時20分 (2017年7月7日 00時00分 更新)

昨年アマゾン社のAmazon Goが登場して以来、小売の無人販売は話題のヒット作となり、投資の対象ともなった。中国でも無人販売に関する商品・サービスを研究している企業は多くあり、アリババも無人販売の領域に進出する。資料写真。(Record China)

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昨年アマゾン社のAmazon Goが登場して以来、小売の無人販売は話題のヒット作となり、投資の対象ともなった。「F5未来商店」「quiXmart」など、中国でも無人販売に関する商品・サービスを研究している企業は多くあり、アリババも無人販売の領域に進出する。雷鋒網によると、アリババは7月に開催される「第二回タオバオ物作り祭」で無人の小売店「淘コーヒー」を登場させる予定だという。雷鋒網が1日付けで伝えた。

▽淘コーヒーはどのように作動するのか

雷鋒網によると、「淘コーヒー」は200平方メートルの面積を持つ店舗型のサービスで、買い物と飲食を一体化したコンセプトになっており、50人以上の客を収容可能だ。さらに面積を拡大すれば収容可能人数を増やすこともできる。

▽セルフ・ショッピングの流れは以下の通り:

ステップ1:店に入る
初めて店に入る場合、携帯電話アプリ「手機タオバオ」(注:手機は携帯電話のこと)を開き、QRコードをスキャンして電子入場コードを入手する。そして、データ使用やプライバシー保護に関する説明、アリペイ支払いの細則などにサインしてから入口を通って入場し、商品を購入することができるようになる。(以後は携帯不要)

ステップ2:商品を選ぶ
淘コーヒーでは、顧客はすべての商品を自由に選択する他、飲食区で注文することができる。これは普通のカフェとほぼ同じだ。

ステップ3:支払いを行う
退店する前に「決済ドア」を通らなければならない。決済ドアは二つのドアからなっている。一つ目のドアは人感センサーを搭載しており、人が近づくと開く仕組み。そして、数秒後には二つ目のドアも開く。これで決済は完了。隣に設置された機器が「アリペイで○○元を支払った」と教えてくれる。それで退店作業は完了だ。

Amazon Goのプロジェクト担当者である任小楓氏は、2013年から2017年までコンピューター視覚と機械学習の技術を利用して研究に没頭した。そして、新しい小売のモデルを発明し、世界初の「商品を手に入れてからすぐに店を出る」店舗を打ち出した。「just walk out technology」は、任小楓氏とそのチームが研究して発明したものだ。店の入り口に顧客の顔を識別する機器を設置し、製品棚にはカメラや赤外線センサー、圧力感応装置などが備え付けられる。これらの機器を設置することで、顧客がどんな商品を買い物かごに入れ、商品をいくつ戻したかを判断し、店内のマイクで感じ取った音で顧客の位置を識別することができる。集まったすべての情報は、Amazon Goの情報センターに伝送され、店を出る際、センサーは顧客が購入した商品を自動的にスキャンして決済する。これが無人小売店のメカニズムだ。

▽無人販売の未来は明るいのか?

無人小売店の概念については、以前から議論されてきた。雷鋒網によると、主に以下の数種類のタイプが存在する:

第一に、自動販売機と似ているが、規模がさらに大きく、商品の品がもっと豊富なもの。こういうタイプのデメリットは、消費者が決済する前に直接、商品に触れることができない点だ。「ユーザー体験」という観点からみれば好ましくない。

第二に、大型スーパーの自動会計システム。消費者がセルフ・レジを通じて勘定するものだ。ただし、厳格な管理・監督が難しいので、万引きなどを防止することができない。

第三に、RFIDチップを使用するもの。技術的には完成しているとされるが、コストが高い。そして、雨天時や液体を購入する場合、センサーが鈍りがちになる致命的な欠陥がある。

そして第四に、Amazon Goをはじめとする人工知能だ。淘コーヒーのサービスのメカニズムを見れば、そこに人工知能が利用されていることが分かるはずだ。だが、この方法にも難点があり、店舗規模が拡大するにつれて、システム内で処理される情報量が大幅に増加し、GPUを使用するにあたって困難度が増してしまうという。そうしたコストを抜きにしても、商品を正確に識別できるかについてなお、大きなハードルがあるとされている。

天若科学技術会社の取締役を務める陳維龍氏は、無人小売店で使われる画像識別システムについて、「10平方メートル以内の範囲で100種類の品物、店内ユーザーは二人などのような小規模店舗で、資本や技術が大幅に投下された場合にのみ正確さを担保できる」と考えている。規模をさらに拡大すると、システム運用は困難さを増していく。これは、「無人小売店の避けられない問題なのだ」と陳氏は述べる。たとえ商業上の有意性を度外視して技術転用の角度から考えてみても、こうした無人小売店は、少なくとも50平方メートルで300種類以上の品物がなければ、応用する価値がないとされている。そして、スーパーのような大規模店舗への対応はより難しくなる。10万件の商品のモデリングとその訓練、そして、それぞれの商品の特徴を認識するなどの作業があるが、処理しなければならない情報の総量が非常に膨大な上、商品の位置や組み合わせの訓練も大きな壁となっている。

また、店内での顧客の振る舞いも無人小売店が直面する大きな問題だ。例えば、顧客が商品の陳列をぐちゃぐちゃにして店内を散らかしたり、監視カメラを遮ったりするなどの悪質な行為に対し、Amazon Goのシステムは対応できない。深蘭科学技術会社の創始者である陳海波氏は、「ゴマ信用(アリババの信用評価システム)の導入で顧客の店内での振る舞いを規制する効果がある」と指摘した。しかし、中国で信用システムの認知度は低く、その効果はまだ分かっていない。

総じて言えば、Amazon Goは技術としてはすでに成熟しているが、ビジネスへの転用にはコストが高すぎる。現在、スーパーの多くは赤字であり、無人の決済技術が革新的な改革を引き起こすとは考えにくい。アリババの創始者である馬雲(ジャック・マー)氏は、一つ目の難題を解決したかのように見えるが、その他の問題をどのように解決していくのか。今月8日から12日にかけて開催される、2017年タオバオ物作り祭で、その答えが明らかになるかに注目しておきたい。(提供/環球網・編集/インナ、黄テイ)

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