神戸製鋼が日本製造業の信用の看板をたたき割る―中国紙

2017年10月17日 11時10分 (2017年10月20日 00時00分 更新)

日本では2年前に東洋ゴム工業の免震ゴム性能偽装問題と東芝の不正会計問題が起こり、昨年は三菱自動車の燃費不正問題があり、今年9月には日産自動車で無資格の社員が完成検査をしていたことが明らかになった。(Record China)

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日本では2年前に東洋ゴム工業の免震ゴム性能偽装問題と東芝の不正会計問題が起こり、昨年は三菱自動車の燃費不正問題があり、今年9月には日産自動車で無資格の社員が完成検査をしていたことが明らかになった。このように日本企業はここ数年スキャンダル続きだったが、傷ついたのは各企業の看板だけだった。だがこのほど検査データの改ざんが発覚した神戸製鋼所のような原材料メーカーのスキャンダルは、川下の産業チェーン全体に影響を及ぼし、日本の製造業全体の信用の看板をたたき割ることになる。経済日報が伝えた。

ここ数年、日本企業では製品の偽造、財務の偽造、管理秩序の偽造がたびたび発生し、こうしたスキャンダルにより企業自身の看板もイメージも傷ついたが、このほど発覚した日本3位音鉄鋼メーカー・神戸製鋼所の製品の品質に関わるスキャンダルは、影響の及ぶ範囲と規模がこれまでとは比較にならず、製造された原材料は自動車、新幹線、航空機、ロケットなど多くの分野で使用されているだけでなく、米ボーイング社向けに製造する航空機部品や自衛隊の航空機・防衛製品の原材料にもなっている。こうして神戸製鋼所は日本の製造業の品質への信用という看板をたたき割ってしまったことになる。

神戸製鋼所は今月8日、さきの社内調査により、今年8月までの一年間に、子会社の複数の工場から出荷された製品で検査データの改善が行われ、製品の強度、柔軟性、寸法などが顧客と取り決めた仕様に達していないアルミ・銅製品を販売し、出荷検査報告の中で当該ロットの製品は仕様に基づいて製造したと虚偽の報告をしたことを明らかにした。また受注契約が規定する製造過程での検査プロセスをまったく履行していないにもかかわらず、検査プロセスを履行したことにしてコンピューターで架空のデータを偽造し、合格品として顧客に提供していたことも認めた。同じ日に発表された対象製品は、アルミ製品(板、押出品)約1万9300トン、銅製品(板条、管)約2200トン、アルミ鋳鍛造品約1万9400トンで、同期の事業による売上高の約4%を占めた。

これだけではない。神戸製鋼所が11日に日本の経済産業省に提出した報告書によると、子会社の製造した製品でもデータが偽造されていた。液晶パネルと記録用ハードディスクに使用された銀・アルミ材料および自動車・機械に使用された鉄粉材料は、対象ロットについて検査が行われていなかったにもかかわらず、顧客に合格証明書が渡されていた。銀・アルミ材料は2011年11月から顧客企業70社と6600件あまりの取引があり、鉄粉材料は計140トンを提供した。神戸製鋼所はこの件を知りながら8月にデータ改ざんを発表した際には言及せず、後から報告書に「社員が個人的にしたこと」と記しただけだ。

神戸製鋼所の梅原尚人副社長は問題を受けて顧客と社会全体に謝罪し、管理職を含む数十人がこの件に関わっていたこと、原材料の品質が安全に関わる問題を引き起こす可能性があることを認め、川下の企業に製品の安全性検査を改めて行ってほしいと述べた。また現時点ではこの問題により製品の安全問題は発生していないと述べた。これまでに明らかになった関連企業は輸送車両、機械製造、防衛、宇宙航空など各分野の約200社に上り、これ以外の貿易会社を通じて流通した製品は統計をまとめるのが難しい状況だ。

今回のスキャンダルは日本企業の信頼に大きなダメージを与えた。神戸製鋼所は、製品の強度や柔軟性は顧客と取り決めた仕様には合致していないが、日本工業標準調査会が制定した日本工業規格(JIS)は満たしていると苦しい言い訳をしただけでなく、梅原社長は改ざんに至った原因は顧客からの納期のプレッシャーにあると責任を転嫁しようとさえした。ビジネスのルールでは製品売買契約は正確さをむねとし、顧客からの要求が業界の基準を上回るのは顧客に特殊な要求がある場合であり、契約の精神に背く行為はビジネス上の信用を失墜させ、公平さや平等さについては言うまでもない。

過去2年間に、日本では鉄鋼や建築機械のニーズが落ち込み、神戸製鋼所は2年続けて経営損失を出し、16年度は230億元の赤字だった。同社は今年は赤字を黒字に転換させると誓い、高品質のアルミ・銅製品を「成長戦略の柱」に据えた。高い基準の製品の製造契約を締結したことは、企業にそれだけの技術や能力があるということであり、製品が顧客の求める仕様に達していないことは、製造過程に手抜きや原材料のごまかしなどがあったことを示す。

今回の問題は日本企業が製品の品質管理体制を軽視していることを浮き彫りにした。数十人が関わり、子会社の4工場で同時に発生した問題が、単に「契約遵守の意識が低かった」とか「現場での暗黙の了解」とかいった理由だけで行われたとはにわかには信じがたい。神戸製鋼所は昨年にもばね用ステンレス鋼線の強度偽装問題を起こしているが、そこから教訓はくみ取らなかったといえる。同社は10年前から検査データの改ざんに手を染めていたとする人もおり、ここから管理の疎かさや漏れが長期にわたる体制的な問題であることがわかる。

ビジネスの信用失墜の代償は大きい。神戸製鋼所は関連企業と共同で技術検査を始めたほか、外部の弁護士に依頼して管理体制の調査も進めている。川下の企業に製品の安全性に関わる問題が起きれば、リコール(回収)、修理、人件費などにかかる巨額の費用はすべて神戸製鋼所が負担することになる。

2年前の東洋ゴムや東芝の問題、昨年の三菱自動車の問題、今年9月の日産自動車の問題を振り返ると、日本企業はここ数年スキャンダル続きだったが、傷ついたのは各企業の看板だけだった。だが今回の神戸製鋼所のような原材料メーカーのスキャンダルは、川下の産業チェーン全体に影響を及ぼし、日本の製造業全体の信用の看板をたたき割ることになるといえる。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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